春・夏・秋・冬 |
今朝の新聞を見て驚いた人も少なくあるまい。味の素、カルビー、不二家、日本製粉、ニチレイ、東ハト、日本リーバ、森永、ロッテ…。おなじみの食品メーカーの「お詫び」広告がビッシリ掲載されていたからだ。文面は違っても、内容は同じ。食品衛生法で認められていない3物質を使用した香料が含まれた製品を回収するとの内容だ
▼メーカーもさることながら、回収すべき商品がこんなにあるとは。この中の商品をひとつも口にしたことがないと言える人が、果たして何人いるだろう。違法物質を使っていた香料会社では、「最も古いものは70年から使っていた」としているから、さかのぼれば商品はもっと増えるのではないか ▼今年に入り、雪印にミスタードーナツなど、「食品事件」が相次いでいる。なにしろ、人間の健康と関わる問題だけに、きちんとした対応が望まれる。そして、消費者側はパニックにだけは陥らないでほしい。「あれもこれもダメ」というのではなく、事実関係を正確に把握して事にあたれば、風評に惑わされることもなくなるだろう ▼だが、そのためには企業なり当局が情報公開をきっちりすべきだ。BSE(いわゆる狂牛病)問題の時も、農水省が事実関係を正確に知らせなかったため、人々の間であらぬ疑念を起こした。それによって大きな被害を受けたのは焼肉店などの業界である ▼どうも、日本という国は情報公開に対して臆病なのでは。防衛庁のリスト作成にしても、情報開示を求めるなど言語道断という極端な「秘密主義」が見え隠れする。(聖) |