「被爆2世にも治療を」
南在住の金亨律さん広島で診断受ける
報道によると、肺炎などで苦しんでいる南朝鮮在住の被爆者2世、金亨律さん(31)が5月25日、広島市中区の市健康づくりセンターで健康診断を受けた。南朝鮮在住の被爆者2世が広島市で受診するのは2人目だという。南の市民団体 「原爆被爆者とともにする市民の会」などが来日を支援した。
現在、南朝鮮に住む「原爆2世」の正確な数は把握されていない。韓国原爆被爆者協会によると、原爆1世が自分の被爆事実を公開したがらないことが影響しているという。 そんな中、金さんは今年の3月、原爆2世として初めて実名を公開し注目を浴びた。 金さんの母、金曲之さんは、植民地時代の40年に広島で生まれ、45年に被爆。その後帰国し、70年に亨律さんを出産した。亨律さんは生まれた時から気管支が悪く、風邪に苦しんだという。一卵性双生児として生まれた弟は生後1歳6カ月で肺炎で死亡。亨律さんも20歳の頃に気管支拡張症の診断を受け、入院を重ね、7年前には免疫の機能が低い「免疫グロブリン欠乏症」と診断された。医師からは母の被爆が原因している可能性を指摘されたという。 この日亨律さんは、採血や尿検査をした後、医師に「日常生活の中で呼吸が乱れることがある」などと症状を説明。医師は、広島大原爆放射線医科学研究所など専門家による診察をアドバイスした。 在外の被爆2世が来日すれば日本国内の2世と同様に無料で健康診断が受けられるが、来日費用は自己負担となる。亨律さんは、「韓国内で治療や健康診断を受けられるよう、日本政府は態勢を整えて欲しい」と訴えていた。 |