くらしの周辺

悪霊の封印


 5月24日、千駄ヶ谷の明治公園で「STOP! 有事法制5.24大集会」が開かれ、4万人が参加した。今国会の焦点となっている「有事法制3法案」は、日本の軍国主義の復活を最終的に完成させるゾンビ法案である。過去わが民族は、日本帝国主義によって植民地にされ、塗炭の苦しみをなめさせられたばかりか、今なお分断を余儀なくされている。「朝鮮戦争特需」によって高度経済成長の基礎を築き、繁栄してきた日本は、わが国に対して1度も補償はおろか誠意ある謝罪すらしていない。

 在日同胞はと言えば、日本政府による同化、帰化政策によって骨抜きにされ、毎年9000人以上が日本国籍を取得、「現代版創氏改名」の犠牲になっている。

 集会の冒頭、司会の若い看護婦が自己紹介した。「今日の司会を担当する、絶対に従軍看護婦にはならない何某です!」。

 全身に電流が走った。彼女らが従軍看護婦ならばこっちは「従軍慰安婦」ではないか。日本軍国主義の復活は、ハラボジたちが強制労働に駆り出され、ぼろくずのように命を奪われ、ハルモニたちが日本軍の性奴隷として篭絡された道を再び許すことにつながる。そしてそのターゲットはほかでもない、わが息子、娘たちなのだ。

 小泉首相は法案審議直前に靖国神社を訪れ「英霊」たちの霊前に、今国会での法案通過を誓ったようだ。反対集会終了後のデモ行進のさなか、1つの思いが頭を離れなかった。悪霊の封印が2度と解かれてはならないという思いが。(崔権一・教員)

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