そこが知りたいQ&A

総聯中央委員会第19期第2回会議 何が決まったの

教育文化、生活奉仕活動を2本の中心柱に
汎同胞的に民族性を固守


  総聯は21日の中央委員会第19期第2回会議で何を決めたのですか。

  在日同胞社会における民族性喪失の深刻な状況を改善するための課題と対策を討議、決定しました。

 徐萬述議長は報告で、「日本でわが民族を守る問題はこんにち、同胞社会が存続できるかどうかを分かつ死活的な問題になっている」と述べ、「在日同胞の運命」と「愛族愛国の代を継ぐ根本」問題だと位置づけました。

 そして、民族性を守る運動の柱は「教育文化事業と生活奉仕活動」だと指摘。これらの活動を汎同胞的な運動として押し進めていくことを強調しました。

  なぜ民族性を守ることが死活的な問題になったのですか?

  徐萬述議長は2点あげています。

 1点目は、日本の反動勢力が在日同胞を日本人化しようという策動がピークに達していることです。

 徐萬述議長は、日本の反動勢力が在日同胞を「日本国家に帰属」させようとしていると指摘。排他主義を世論化し、迫害によって在日同胞の生活に困難をもたらすことによって民族性を守っていくことを断念させる差別政策、いわゆる市民的な権利を「平等」に保障すると標ぼうして徐々に民族意識を麻痺させ、自から同化、「帰化」するよう仕向ける政策、この二つを使い分けて在日同胞の民族性の抹殺をはかっていると述べました。

 そして、とくにその標的を総聯に定め、過去に例を見ない弾圧を科していると指摘しました。

 2点目は、とくに新世代の同胞の中で民族性の喪失が急速に進んでいる点をあげました。民族迫害と長引く不況の中で、「帰化」や「国際結婚」が増え、少なくない同胞が生活の安定を同化に求め、「帰化」したり、「朝鮮系日本人」として生きようとする傾向に深い憂慮を表明しています。

 こうした点を踏まえ徐議長は、「民族性の固守を優先させ、総聯の運動をすべての在日同胞を対象にした民族愛国運動に転換させる」と表明しました。

 今後総聯は、理念、政見、団体所属の差より民族性を優先させ、日本国籍取得者を含むすべての同胞と手を取り合っていきます。総聯の各団体も民族団体、同胞組織としての性格を全面に掲げ、民族的なこと、同胞大衆的なものを優先させ、同胞の民族性を守り、それを奮い立たせる活動を最優先させていきます。

 さらに、国籍取得要件の簡素化を内容とした「特別永住者等の国籍取得の特例に関する法案」「地方参政権」の法制化など、同胞の民族的尊厳と権利を侵害する策動に反対していきます。

  具体的にはどのように運動を押し進めるのですか。

  教育文化事業と生活奉仕活動です。

 まず教育文化事業ですが、すべての同胞の子どもたちを対象にした民族教育と、さまざまな同胞を対象にした民族啓蒙事業、文芸体育活動を押し進めます。

 民族教育は、朝鮮学校を守り発展させていく活動に第一義的な力を入れます。教育の内容と方法、教育環境を変化した現実と日本の実情に合わせて改善し、教育の質と実効性を高め、教科書編さん事業、民族性を育む課外活動の体系化を押し進めます。また、教育権利の拡充と教育助成金の獲得、一口1000円運動、同窓会組織の創設など、学校を支える運動を広範な同胞、日本市民の力に依拠して進めます。

 同時に、民族学級や土曜児童教室の創設、日本学校との親善に務め、日本の学校に通う同胞の子どもたちの民族心を育む教育システムの整備にも取り組みます。

 また、各地に成人を対象にした文化・スポーツサークルや朝鮮語講座も開設します。

  もう1つの柱である同胞の生活上のニーズを満たす問題は?

  各地の同胞生活相談綜合センターの役割を高め、同胞が抱えるあらゆる問題に応えていきます。総聯は第18期第3回拡大中央委員会後の2年5カ月の間に131カ所の支部、31カ所の本部などに同胞奉仕システム網を完備しました。

 今後は相談員のレベルアップをはかり、生活情報誌を過半数以上の同胞家庭に配布するなど質の向上に務めます。各家庭の関心事である民族結婚の実現にも力を注ぎます。

 福祉活動にも力を入れます。同胞高齢者や障害者のニーズに応えられるよう、「在日同胞福祉連絡会」を積極的にサポートし、デイハウスを設置したり、民族教育の場で人材育成に取り組みます。

 また、商工会を通じて長期化する不況に苦しむ同胞商工人の経済活動の安定にも力を注ぎます。

 生活の安定をはかる就職問題についても、「同胞就職情報センター」が求人、求職の情報発信地としての機能を果たせるようにしていきます。

 【徐萬述議長の報告「2」の部分の骨子】

 1)教育文化事業を全同胞的に繰り広げ、民族性を守っていく。

 (1)各級学校の教育事業を強化、民族教育網外の同胞子女たちを対象にした民族教育体系を整備、拡大する。@民族性固守・継承の拠点、民族学校の発展に第一義的な力を注ぐ。A本中央委員会を契機に日本の学校に通う同胞子女を対象にした教育体系を拡大、強化。当面、東京、愛知、京都、兵庫に「民族学級」を設置。B中央と本部、学区制地域に運動の推進母体となる各種対策、推進委員会を新しい世代の同胞を中心に設け、機能と役割を高めていく。

 (2)民族啓蒙事業と文芸体育活動を、組織外の同胞も網羅し展開。@全組織に文化教室、文芸体育サークルを整備、各階層同胞を参加させていく。Aウリマルを知らない同胞に母国語を習得させる成人教育体系を築き、本部と支部に朝鮮語教室を新設。B各階層同胞が集い過ごせる場を組織。朝鮮相撲とノルティギ(板とび)など民俗競技、朝鮮将棋、ユンノリなどの民俗遊戯を組織、地方競技と競演、中央大会も開催。C朝鮮新報と雑誌イオなどの出版物を、民族を守る運動の頼もしい同伴者として愛し、読者拡大運動を行い、出版物普及網を拡大する。

 2)同胞生活奉仕団体として各階層同胞の生活上の実利を計っていく。

 (1)支部は同胞生活奉仕活動を柱の一つとして認識し事業を展開。@同胞生活相談綜合センターの役割を高めるため、運営委員会と事務局会議を正常化、活動状況をそのつど総括し対策を立て、支部と分会、団体役員と地域居住活動家を「巡回相談員」として動員する。当面、生活情報紙を管下同胞戸数の過半数に普及させる。A「国際結婚」を防ぎ民族結婚を奨励し、適齢期の男女青年たちを紹介し会う機会を作る。B福祉活動を積極的に行っていく。全地域に長寿会、延寿会を作り、同胞が密集して住む地域の綜合センターにデイハウスを設置、運営。また、昨年結成された「在日同胞福祉連絡会」の活動を支援。

 (2)同胞と商工人の民族性を守り、経済生活、企業の安定に関心を傾け力量を割く。@商工会は同胞商工人たちの民族的きずなを強める活動を優先させながら、新しい世代をはじめとする商工人たちが企業経営上提起される大小の問題を円満に解決できるよう、経済奉仕組織としての面ぼうと活動を一新する。A同胞と商工人たちは民族金融機関を愛し守り、預金拡大と経営基盤強化をはじめ組合の発展のために立ち上がる。B同胞生活安定のため同胞就職情報センターの会員拡大、求人、求職情報発信の拠点としての機能を高める。

 (3)在日同胞に対する民族的尊厳と権利侵害を許さずたたかっていく。とくに「国籍取得要件緩和措置」と「地方参政権」法制化の問題点を引き続き明かし反対していく。

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