被爆者援護法の適用を

南在住被爆者厚生労働相に要請


 報道によると、「韓国原爆被爆者協会」(李広善会長)のメンバー22人が16日、東京・霞ヶ関の厚生労働省で坂口力厚労相と会い、被爆者援護法の適用と来年に底をつく医療基金の追加支援を求めた。

 日本政府は今まで北南朝鮮、ブラジル、米国に在住する被爆者を切り捨ててきたが、65年の「日韓条約」で被爆者問題を棚上げにされた南朝鮮在住被爆者は67年に「韓国被爆者協会」を設立。日本政府に対して謝罪と補償を求めてきた。

 同協会をはじめとする南朝鮮在住被爆者の運動によって日本政府は80年から渡日治療を始めたが、6年間で打ち切り。90年には40億円の医療支援金を支払うことを決めた。

 しかし、この支援金は被爆者が望むものではなかった。日本政府は40億円が一人一人の被爆者の手元に届かないよう、ガイドラインを作り、被爆者福祉会館の建立、医療費の支給にその使途を限定、被爆者手当の支給を認めなかったからだ。しかも「40億円」は03年には底をつく。

 李会長は、「基金が枯渇したその先はどうなるのか不安だ。(厚労相の)どうにかしたいという気持ちは伺うことができたが、具体的な話はなかった」と不安をにじませていた。

 日本政府は昨年末、被爆者を救済する唯一の法律である被爆者援護法の対象から在外被爆者の排除を法制化することを決定。同法の適用を求めてきた在外被爆者の怒りを買っている。

日本語版TOPページ