春・夏・秋・冬

 ネパール人のタシ・ワンチュク・テンジン氏がエベレスト登頂に成功したという記事を感慨深く読んだ。1953年5月、エベレストに初登頂したニュージーランド人のエドモンド・ヒラリーにシェルパとして同行したのがテンジン・ノルゲー。テンジン氏はその孫にあたる。ヒラリーの息子ピーター・ヒラリー氏も別ルートから登頂を目指しているそうだ。頂上で2人が落ち合う計画もあるという

▼幼い頃、ヒラリーとテンジンの2人の交流と登頂過程などをつづった「エベレストをめざして」(岩波書店)という本を読んで感動し、いつか必ずエベレストに登ろうと思っていた。世界で1 番高い場所に登ってみたかったからだ。今に至っては体力的にも夢のまた夢だが、朝鮮半島の最高峰、白頭山には何度か登った

▼5泊6日の日程を終え15日に帰途についた済州道民訪問団が白頭山を参観した。朝鮮半島の最南端から訪れた済州道の人々が、最北の、それも民族の象徴である山に登るのは多分に象徴的だ。「白頭から漢拏まで祖国は一つ」という言葉を用いるまでもなく、北南の和解・交流を印象づける出来事だからだ

▼今回の訪問団、253人という大規模な人数もさることながら、観光という形での民間交流は初めてのことだという。6.15共同宣言発表2周年を前に、金剛山での離散家族・親せきの再会という人道的交流、済州道民訪問団に代表される民間交流が活発化することは喜ばしい

▼白頭山と漢拏山。北南の人々がこの2つの山を、自由に行き来できる日が1日も早く来ることを願う。(聖)

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