「もう一度見たい」 各国からの観客を魅了

大マスゲーム・芸術公演「アリラン」


 【平壌発=本社取材団】4月29日から平壌のメーデースタジアムで開幕した大マスゲーム・芸術公演「アリラン」。内外から多くの観光客が観賞に訪れているが、そのスケールの大きさに「1度見ればまた見たくなる」という感想が多数聞かれている。

「もう一度見たい」と各国からの観客を魅了する「アリラン」公演

 「アリラン」対外招請迎接委員会によると、公演を1度見た観光客の間から、もう1度見たいと、公演の観賞を再申請する人が多くいるという。

 15万人を収容するメーデースタジアムを、まるでひとつの劇場のように仕立てて行われる公演は、芸術と体操が組み合わされた基本舞台と背景台、構造物が休む間もなく複雑に動き変化する。したがって観客にも休む間を与えない。舞台が変わる時も退屈した感じを与えず、1時間20分の公演の間、連続性ある1つの芸術作品になっている。

 観客の間からは1つひとつの変化、動きをもう少しゆっくりとやってくれれば、という要望や背景台とグラウンド、空中のすべての物を見るためには「目が6つ必要だ」、という声が聞かれる。

 観客を魅了していることは間違いなく、各国の人々も「夢なのか現実なのか? 人類文化の極致を見た」(ネパール・カトマンズ市長)、「アリランは世界唯一、最高の大傑作だ」(朝鮮駐在エジプト大使)と語っていた。

「統一への熱い思い確認」

初めての感動 「来てよかった」

 大マスゲーム・芸術公演「アリラン」観覧のために、日本からも多くの市民らが訪朝している。3日、大阪からは中外旅行社主催のツアーで、関西空港発ウラジオストック経由で「日朝友好なにわの翼」訪朝団が平壌入りした。日朝国交正常化早期実現を求める大阪府民の会(府民の会)をはじめ、両国の友好・連帯に努めている労働組合など、大阪府民ら30数人で構成された参観団だ。

 府民の会代表の有元幹明さん(65)は観覧後、記者のインタビューに開口一番、「カルチャーショックを受けた」と興奮気味に次のように語った。

 「国の統一を自主的に成し遂げようとする、朝鮮民族の熱い気持ちを再確認することができた。朝鮮半島の分断は日本による植民地支配の結果にも起因するため、日本は1日も早く朝鮮と国交を結び、統一に有利な環境を整えるべきだ」

 昨年、総聯支部との日朝友好新春の集いに参加して以来、総聯と交流するようになったという南大阪平和人権連帯会議の中村吉政さん(54)。「最初から最後まで感動の連続で、スケールの大きさに鳥肌が立った。あれだけのことをどうしたらできるのか、とても考えがつかない。日本のマスコミは朝鮮に対する悪宣伝ばかりしているが、まったくそうでないこともわかった。朝鮮の歴史を知ってこそ、朝鮮を知ることができる。公演を見なければ一生後悔するとの話があったが、そのとおりだと思う。機会があればまた見たい」。

 同じく同会議のメンバー、室徹さん(40)は、「けた違いのスケールだ。いったいどうすればこれほどのものをプロデュースすることができるのか。大人から子ども、女性、軍人がひとつになって国の統一という目標に向かっていることを肌で感じることができた。訪朝前、周囲には本当に朝鮮に行くのかと、危ぐする人もいたが、本当にきてよかった」と述べていた。

 1995年の朝鮮での水害後、朝鮮学校生徒とともに米を作り、5回にわたって支援を行ってきた「平和の糧」のメンバー、伊関要さん(43)は、朝鮮を訪れるのは初めてという。

 「元気な子どもたちの姿を見れたのが何よりだ。バスで市内を移動中、われわれに手を振る子どもたちの姿をたびたび見かけたが、生き生きとした表情で、心の底から歓迎してくれていることがわかった。日本の子どもたちはゲーム遊びなどで家に閉じこもりがちだが、朝鮮の子どもたちは子どもらしく生活している。社会主義の素晴らしさを感じた」と言う。娘の瑞穂さん(16)も、「生まれて初めての感動です」と興奮気味に語っていた。

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