日本の過去の清算を求める北と南、海外団体の共同声明
受難に満ちた民族の歴史に終止符を打ち、民族の尊厳と、栄誉を誇りつつ堂々と生きていくことは、こんにち、北と南、海外の朝鮮人民の一致した念願であり、志向である。
前代未聞の暗黒の統治により、朝鮮民族の心の中に癒されない傷跡を残した日本の植民地支配が終わってもはや半世紀の長い歳月が過ぎ去っているが、朝鮮人民の傷ついた心は依然いやされていない。 古今東西に類例を見ない厚顔無恥な手法と銃剣を使ってわが国を占領し、5000年の悠久な歴史を通して創られた朝鮮民族独特の知恵と才能の産物である貴重な文化財と莫大な資源をことごとく略奪し、罪なき朝鮮人民を手当たり次第に虐殺し、強制的徴用と徴兵、性奴隷制により数百万の命を異国の荒野に投げ棄てた日本帝国主義の罪悪は筆舌に尽くしがたい。 それに加え、日本政府は過去の歴史に対する厚かましい否定と甚だしいわい曲、在日朝鮮人に対する厳しい民族差別、侵略的かつ民族排外的な軍国主義復活と自衛隊兵力の合法的な海外派遣を狙った法制化策動により、わが民族の尊厳を極度に刺激している。 加害者としての罪意識を感じることもできず、被害者に対して謝るといった初歩的な常識すらわかっていない日本、罪を犯していながらも当然なことのように思う日本の厚顔無恥な行為は、わが民族の燃え立つ憤怒と驚がくを呼んでいる。 われわれは、朝鮮民族に対して許されない大罪を犯し、半世紀が過ぎ去った今日まで謝罪と補償はおろか、かえって「盗人猛々しい」という諺と同様罪悪に満ちた過去を公然と否定し、正当化せんとする日本当局の行為を、わが民族の尊厳に対する我慢しがたい冒とくと見なしつつ、全朝鮮人民の名において厳しく断罪し、糾弾する。 一国、一民族の尊厳と自主権をことごとく踏みにじった大罪を、浅はかな手で歳月の忘却の中に消えうせえると考える日本の思考方式は浅ましさと幼稚の極致をなしている。 わが人民は、過去日本から強要されたあらゆる非人間的な抑圧と蔑(べっ)視、血なまぐさい殺りくと略奪についていつまで経っても絶対忘れないであろう。 日本は、わが民族の前に犯した罪業を清算せずには、決してただでは済まされないということをはっきり覚えておくべきである。 今日の朝鮮民族はかつて日本が勝手に侵攻してこき使い、殺し、蔑視していた弱小民族ではない。 今日、北と南、海外の7000万の朝鮮人民は、朝鮮民族としての高い誇りと自負を持っており、民族的尊厳を傷つける者に対しては絶対許さない自主性の強い人民である。 日本から過去の罪業に対する謝罪と補償を必ず受け取って見せるというわが民族の意志は確固たるものである。 きちんとした過去の清算なくしては、日本に対するわが民族の真の和解と信頼について考えられない。 われわれ「日本の過去の清算を求めるアジア地域シンポジウム」に参加した朝鮮の北と南、海外の各団体の代表は、過去の清算問題の速やかな解決に向かって一致団結して闘う決意を内外に示しつつ、日本政府に次のように強く求める。 1、日本政府は、歴史的に朝鮮人民の前に犯した厳重な罪業に対して、一日も早く誠実に公式謝罪し、朝鮮民族が十分納得できるよう徹底的に補償すべきである。 2、日本政府は、過去朝鮮に対する侵略と略奪、朝鮮民族に対する強制連行と強制徴兵、日本軍の性奴隷制など反人倫的な犯罪の真相に関する歴史資料を全面的に調査・公開し、責任ある者を処罰するための実践的な対策を早急に講じるべきである。 3、日本政府は、侵略的かつ犯罪的な過去に対するわい曲策動を黙認、ひ護、助長し、在日朝鮮人を差別する不当な行為を直ちに中止し、国の軍国化と海外侵略の企みを捨て、朝鮮の統一に妨害になることをしてはならない。 被害者として日本から謝罪と補償を受け取るのは、いかなる者も非難できないわが民族の聖なる権利であると同時に、朝鮮民族の尊厳を守るためのこのうえなく重大な民族史的課題である。 われわれは、これから先も、日本から公式的かつ完全な謝罪と補償を受け取るまでお互いに連帯し、団結して、民族挙げての闘いをより力強く展開するであろう。 北側 「従軍慰安婦」及び太平洋戦争被害者補償対策委員会 南側 韓国挺身隊問題対策協議会 海外 朝鮮人強制連行真相調査団 2002年5月4日 平壌 |