自主的、幅広い日朝友好運動を
長野で開かれた朝鮮の統一支持全国集会
チュチェ思想研究会全国連絡会(会長=佐久川政一・沖縄大学教授)、朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議(清水勇会長)の両団体が主催する金日成主席誕生90周年祝賀「自主・平和・友好の日朝関係を求め朝鮮の統一を支持する長野全国集会」が20日、長野市のホテル国際21で行われた。日朝友好運動が活発な長野で開催された集会には、山口わか子衆院議員、浜万亀彦・長野県議会日朝友好促進議員連盟会長をはじめ地域で日朝運動を支える日本市民、同胞ら250人が参加した。また、韓正治・総聯中央国際局長、李光相・総聯長野県本部委員長らが招かれた。そして、日本政府が戦争参加への道を開く有事法制関連法案を成立させようとしている今、自主的で幅広い日朝運動を繰り広げ、情勢を変えていく必要のあることが重ねて強調された。
ひどくなる人権侵害
主催者を代表してあいさつをした清水勇・県民会議会長は、「情勢とは他力本願で作り出せるものではなく、自身の奮闘、努力で切り開いていくもの」と強調したうえで、朝鮮敵視が明らかな有事法制を強行する小泉内閣が政策転換を図るよう、日朝運動を広範囲に盛り上げて行こうと呼びかけた。 また、来ひんのあいさつをした韓国際局長は、参加者に連帯の意を伝えながら、公安調査庁による外国人登録原票不当入手、在日朝鮮人の再入国を禁止するとの国会議員の発言など、有事法制の制定に向け、在日朝鮮人に対する人権侵害がひどくなっている事実に言及した。 続いて佐久川会長が「米国の世界戦略と自主の流れ」と題して講演を行った後、長野、静岡、埼玉の代表が地域の日朝運動について報告した。 活発な民間交流 日朝長野県民会議の飯田敬次事務局長は、来年結成25周年を迎える同県民会議が、@日朝友好親善の強化と国交正常化の実現A在日朝鮮人の人権のよう護、民族教育の権利保障B朝鮮半島の平和を実現するための日本の軍事化の反対――を運動の柱に据え活動してきた道程を振り返った。 県民会議は長野、松本など県内5カ所に地区組織を持ち、今まで約350人の訪朝団を送ってきた。また地区独自の訪朝団も派遣、農業技術団など朝鮮からも積極的に代表団を受け入れ、民間交流をはかってきた。 昨年12月には日朝国交正常化を求める3万2000人分の署名を外務省に提出。県内の自治体にも要望を重ね、その結果、00年12月から昨年6月にかけ、40自治体が国交正常化を求める意見書を採択した。ちなみに長野県では93年には県議会を含む117の議会が意見書を採択しており、94年には100の市町村長による国交正常化を求める賛同署名が河野洋平外相(当時)に直接、手渡されている。 統一的な運動築く 県民会議は朝鮮学校の処遇改善を求める運動にも力を入れているが、00年3月には長野朝鮮初中級学校に対する私立学校並みの教育助成金を求める3万4000人分の署名を県知事あてに提出。昨年4月、ついに「私立外国人学校補助金」制度(1人当たり年額1万6100円)を実現させた。
飯田事務局長は、「地道な運動を積み上げてきたことで県内の統一的な運動を構築できたと実感している」と振り返りながら、「運動の前進に向け、組織的な対応のできる全国的な運動のあり方を考える時期にきている」と問題提起した。 質疑応答の際、会場からは日朝国交正常化交渉を妨げている行方不明者問題に関する質問が出され、00年3月に「新潟少女拉致疑惑」に関連して新潟県警に事件の再捜査を求めた「日本と朝鮮の国交樹立促進新潟県民会議」の代表が発言。県警の外事課長が「警察としては拉致疑惑があったとかなかったとかいうことは一言も言ったことがない」と疑惑を否定した事実を紹介しながら、日本政府当局による公正な調査を求めた。 集会2部では宴会が行われ、東京朝鮮歌舞団の踊りと歌、平壌で開かれる大マスゲーム・芸術公演「アリラン」を観覧する議員の紹介など、終始にぎわった。 |