医療−最前線
働く女性と健康
仕事も家庭も手に入れたい。キャリアも健康も大切にしたい。そんな女性が増えている。だからこそ、正確な生物医学的な性差を大切にして、働く女性の健康を守っていくべきであろう。
女の一生というのは、ホルモンに支配されている。卵巣からはエストロゲン、プロゲステロン、視床下部から出る性腺刺激ホルモン放出ホルモン、脳下垂体からはLH・FSHというホルモンが出ている。視床下部は情動の中心なのでストレスがあると月経の乱れにつながる。排卵は脳下垂体からLHが出た時におこるが、この時期に受精すると妊娠する。 女性は閉経する40〜45歳から女性ホルモンは段々減ってくる。脳下垂体から刺激が出て、更年期障害になる。 女性は妊娠して初めて女になるのではない。生まれた時から女であるのだから、産む能力を保てる働き方をすべきであろう。職務ストレスなどによる月経周期の乱れや長時間労働や交替勤務で不妊になるケースもある。 女性はどうして病気になるのか。からだと心、両面で正しい情報を得ることが必要だ。 年齢別では性感染症は15歳から、子宮頸ガンは比較的若いうちから、乳ガンは35歳くらいから、そして45歳くらいから男性と同様に生活習慣病にかかりやすくなる。更年期障害や骨粗鬆症も要警戒だ。心の病としては、鬱(うつ)、拒食、過食、スーパーウーマン症候群、シンデレラコンプレックス、アルコール依存症も。健康に対する正しい知識を身につけて、心身共に幸せに働きたいもの。(李秀一・医療従事者) |