牡丹峰の高句麗遺跡を散策

「アリラン」公演中に参観


 数100年の間高句麗の首都として栄えた平壌には、高句麗時代の遺跡が多い。4月29日から始まる「アリラン」公演中、観光客らはこのうち壇君陵、東明王陵、広法寺、牡丹峰、大同門など7カ所を参観することができる。中でも牡丹峰は、暖かい春の日差しの下花が咲き乱れる中を散策しながら遺跡を見ることができるコースだ。

平壌八景の1つである乙密台

 「牡丹峰一帯は1つの自然公園のようになっていて、花や鳥、リスたちも観光客を歓迎してくれることでしょう」。同行した平壌市文化遺跡管理所のハン・ヨンオクさん(27)は話す。

 この日は清流亭、乙密台、玄武門、最勝台、七星門を巡るコースを選んだ。牡丹峰一帯ではすでに薄紅色のつつじや黄色いれんぎょうなどが咲き始めている。「アリラン」公演が始まる頃には、すべての花が咲き乱れ木々も新たに芽吹き、きれいな風景を楽しむことができるそうだ。

きれいに石畳が敷かれた牡丹峰の散策道

 牡丹峰はどこに行っても自然の風景が美しく、大同江越しの風景も絶景で散策するにはもってこいのスポットだ。また高い峰の上に立つ乙密台からは牡丹峰だけでなく平壌市内まで見渡すことができる。

 牡丹峰はもともと6世紀後半に建てられた平壌城の北城と内城にあたる場所で、所々に4〜10メートルほどの城壁が残っている。先に紹介した最勝台や清流亭などは軍事指揮所として利用されたもので、七星門は平壌城内城の北門だった。それぞれの遺跡には伝説や言い伝えなどがあり、それを講師のハンさんが丁寧に解説してくれる。

 講師の説明を聞きながら遺跡を巡るのにかかる時間はおよそ2時間。このほかにも、やや離れた玄武門や最勝台を除いた短縮コースなどもあるそうだ。「平壌は4月から6月が1番過ごしやすく、最もいい季節です。アリランの時にまた来てください」とハンさんは微笑んだ。【平壌発=姜イルク記者】

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