まぶしい光のなかで
五月のこの風は
青々と芽吹く若葉の
すがすがしいささやきか
五月のこの風は
空高く飛び立つ
鳥たちのさわやかなさえずり
それともニッコリと微笑む
赤ん坊のかわいらしい笑顔か
だが
すがすがしい五月を楽しむ
わたしの心に刺さる
青白く光る刃のような
もう一つの
忘れ得ぬ五月の風
死をもって死を退け
死をもって生きる道を探そうとした
ああ、光州 あの日の慟哭よ
ああ、クムナム路 愛の叫びよ
それはオモニたちの
涙にぬれた白いチョゴリ
それは若者たちの
血に染まった肩
血に染まった額
大きな大きな愛、愛
こらえきれないほどの瑞々しい命が
まばゆく光る五月だから
わたしの胸の中に
打ち震える怒りがうずく
忘れられぬ
熱い風がこの胸をうつ
※総聯結成45周年記念文学作品集「風浪をこえて」に収録。(訳・全佳姫) |