朝鮮民主主義人民共和国国土計画法(全文)


 3月27日の最高人民会議第10期第5回会議で採択された国土計画法の全文は次の通り。(朝鮮通信)

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第1章 国土計画法の基本

 第1条 朝鮮民主主義人民共和国国土計画法は、国土計画の作成と批准、実行において制度と秩序を厳格に樹立し、国土管理を計画的にすることに寄与する。
 第2条 国土計画は、国土と資源、環境の管理に関する統一的かつ総合的な展望計画である。
 国土計画には、全国国土建設総計画と重要地区国土建設総計画、道(直轄市)国土建設総計画、市(区域)、郡国土建設総計画が属する。
 第3条 国土計画を正しく作成するのは自然を改造し、万年大計の創造物を建設し、人民に立派な生活環境を与えるための根本的保証である。
 国家は、国土計画作成において中央集権的かつ統一的指導を確固と保障しながら、下級単位の創意性を高く発揚させる。
 第4条 国土計画の批准は、作成した計画を審議、承認する重要な事業である。
 国家は、国土計画の審議、承認において科学性と現実性を保障する。
 第5条 国土計画を徹底的に実行するのは、国土の面貌を改変するための基本的方法である。
 国家は、耕地整理と造林、住民地区と産業地区の建設、道路建設、資源開発、環境保護などの国土管理を国土計画に準じて厳格に行う。
 第6条 国土計画は、基本建設計画と設計作成の基礎である。
 国家は、基本建設計画と設計を国土計画に即して作成し、実行する。
 第7条 国家は国土計画事業体系を正しく樹立し、人民のなかで社会主義的愛国主義教育を強化し、彼らが国土を大切にして愛し、国土管理事業に積極的に参加するようにする。
 第8条 国家は、情報産業時代の要求にふさわしく、国土計画部門の技術者、専門家を将来を見通して養成し、国土計画事業を近代化、科学化する。
 第9条 国家は、国土計画部門で外国や国際機構との交流と協力を強化する。

第2章 国土計画の作成

 第10条 国土計画の作成は、国土計画事業の最初の工程である。
 全国国土建設総計画と重要地区国土建設総計画の作成は、中央国土環境保護指導機関が、道(直轄市)、市(区域)、郡国土建設総計画の作成は、道(直轄市)国土環境保護機関がする。
 第11条 国土計画の作成において守るべき原則は次の通り。
 1、耕地を侵さない。
 2、都市の規模をあまり大きくしない。
 3、当該地域の気候風土的特性を考慮する。
 4、経済の発展展望と実利を打算する。
 5、国防上の要求を考慮する。
 6、環境を破壊しない。
 第12条 国土計画の展望期間はサh年である。
 必要な場合、国土計画の展望期間をサh年より短くすることができる。
 第13条 国土計画の作成の基準は、国家の国土管理政策である。
 中央国土環境保護指導機関は、国家の国土管理政策に基づいて国土計画作成課題を設定し、指令書を作って当該機関に送付する。
 第14条 国土の実態を調査、掌握せずには、国土計画を作成できない。
 国土環境保護機関は、国土計画の作成に必要な国土の実態を調査、掌握する。
 第15条 国土環境保護機関は国土計画の作成に必要なデータを当該機関、企業所、団体に求める。
 機関、企業所、団体は、国土環境保護機関が求める資源の状態、人口、経済の発展展望、建設の実態、測候と観測データ、環境の実態、衛星写真、地図などの情報データを適時に保障する。
 第16条 国土環境保護機関は、国土の実態を研究、分析して国土計画草案を作成する。
 この場合、関係機関と協議する。
 国土計画草案には、国土開発戦略と革命戦跡地、革命史跡地の保護、耕地と森林、河川、湖沼、海の利用、資源の開発、都市と住宅地の形成、休養地区の開発、産業地区とインフラの建設、自然環境の造成と保護、国土整理と美化活動などを反映する。
 第17条 全国国土建設総計画は、経済、文化の発展展望などを考慮して作成する。
 重要地区国土建設総計画と道(直轄市)国土建設総計画の作成は、全国国土建設総計画に、市(区域)、郡国土建設総計画の作成は、道(直轄市)国土建設総計画に基づく。

第3章 国土計画の批准

 第18条 国土計画の批准の手順を厳守するのは、国土計画の正確な実行を保証する重要条件である。
 国土環境保護機関は、作成した全国国土建設総計画と重要地区国土建設総計画を内閣に、道(直轄市)、市(区域)、郡国土建設総計画を道(直轄市)人民委員会に提出する。
 第19条 内閣は、全国国土建設総計画と重要地区国土建設総計画を最高人民会議、または最高人民会議常任委員会の批准に提出する。この場合、全員会議 
または常務会議で討議する。
 第20条 全国国土建設総計画と重要地区国土建設総計画は、最高人民会議で審議し、承認する。
 最高人民会議の休会期間に提出された国土建設総計画は、最高人民会議常任委員会で審議し、承認する。
 第21条 道(直轄市)、市(区域)、郡国土建設総計画は、道(直轄市)人民会議で審議し、承認する。
 道(直轄市)人民会議の休会期間に提出された国土建設総計画は、道(直轄市)人民委員会で審議し、承認する。
 第22条 国土環境保護機関は、批准された国土計画を1カ月内に国家計画機関、国家建設監督機関、地方政権機関などの当該機関、企業所、団体に送付する。

第4章 国土計画の実行

 第23条 国土計画の実行は、国土と資源、環境を人民の志向と要求に即して管理するための大自然改造事業である。
 国土環境保護機関と当該の機関、企業所、団体は、国土管理を国土計画に従って行う。
 第24条 国土計画を受けた機関、企業所、団体は、国土計画実行のための当面または展望課題と年次別、対象別の順次を正しく定める。
 第25条 国土計画実行のための対象課題を受けた機関、企業所、団体は技術課題と建設総計画を作成する。
 作成した技術課題と建設総計画は、国土環境保護機関の合意を受ける。
 第26条 国土を建設したり、資源を開発しようとする機関、企業所、団体は、国土環境保護機関に申請文書を出す。この場合、敷地調査、環境影響評価報告書などの文書を添付する。
 国土環境保護機関は、提出された申請文書を適時に検討し、承認したり否決する。
 第27条 国土環境保護機関は、国土の建設と資源の開発を承認した場合、建設位置指定書、または国土開発承認書を発給する。
 建設位置指定書の発給は、建物、施設物の建設などの場合、国土開発承認書の発給は、資源の造成と開発、都市・産業地区の建設、保護区域と特殊区域の設定などの場合に行う。
 第28条 都市と産業地区の領域内の建設対象に対しては、建設位置指定書を発給しない。
 第29条 建設主機関、企業所、団体は、建設位置指定書、または、国土開発承認書に基づいて建設明示、建設許可、土地利用許可、資金支出許可のようなものを受ける。
 しかし、資源を開発したり、保護区域を設定しようとする場合には、建設明示を受けない。
 第30条 建設主機関、企業所、団体は、建設位置指定書、または、国土開発承認書に指摘された通りに国土を建設したり、資源を開発する。
 定められた期間に国土建設、資源開発に着手できなかった場合には、当該の承認を再び受ける。
 第31条 当該機関、企業所、団体は、国土計画対象とその関連施設を総合的に建設する。
 この場合、やり直し工事をなくし、労働力と資材、資金を浪費しない。
 第32条 国土計画を実行した機関、企業所、団体は、その情況を国土環境保護機関に適時に報告する。
 内閣と国土環境保護機関は、国土計画の実行情況を定期的に総括する。

第5章 国土計画事業に対する指導、統制

 第33条 国土計画事業に対する指導、統制を強化するのは、国家の国土管理政策を正確に執行するための確固たる保証である。
 国家は、発展する現実の要請にふさわしく、国土計画事業に対する指導体系を正しく確立し、指導、統制を強化する。
 第34条 国土計画事業に対する指導は、内閣の統一的な指導のもとに中央国土環境保護指導機関が行う。
 中央国土環境保護指導機関は、国土計画を正しく立てて確実に実行するよう指導する。
 第35条 中央国土環境保護指導機関は、国土計画の作成に必要なデータを収集、保存、奉仕できる国土計画データベースをしっかり整える。
 地方国土環境保護機関は、国土環境の変動実態を定期的に掌握して中央国土環境保護指導機関に報告する。
 第36条 地方政権機関と当該機関、企業所、団体は、土地と河川の整理、造林、道路と中小型発電所の建設などの事業を市(区域)、郡国土建設総計画に従って行う。
 第37条 国家計画機関と労働行政機関、当該機関は、国土計画部門に必要な労働力、設備、資材、資金を適時に保障する。
 国土計画部門の労働力と設備、資材、資金は、他の部門に流用できない。
 第38条 国土計画事業に対する監督、統制は、国土環境保護機関と当該の監督、統制機関が行う。
 国土環境保護機関と当該の監督・統制機関は、国土計画事業の情況を厳格に監督、統制する。
 第39条 承認なしに国土建設を行ったり、資源開発を行うなどの行為は、中止させる。
 第40条 国土計画に反して建設明示を与えたり、土地利用許可を与えて生じた損害は補償させる。
 第41条 この法に違反して国土計画事業に重大な結果を招いた機関、企業所、団体の責任ある幹部と個別の公民には情状によって行政的、または刑事的責任を負わせる。

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