金日成主席生誕90周年

強盛大国建設へ経済問題の解決優先


 今日4月15日は金日成主席の生誕90周年。朝鮮では年初から、「主席の生誕90周年を迎える今年を強盛大国建設の新たな飛躍の年に輝かせよう」とのスローガンを掲げ、とくに経済問題の解決に重点をおいて社会主義建設を進めている。「強い国力のもとであらゆる分野が興隆し、人民が不自由なく暮らせる」(金正日総書記)社会主義強盛大国を建設するためには、経済問題を優先的に解決しなければならないからだ。労働新聞など3紙元旦付の共同社説も、「すべての部門や単位で主席の遺訓を一貫して貫徹していくべきだ」と指摘した。現状を振り返ってみた。

技術改造と現代化

金策工業総合大学コンピューター工学部の学生たち
慈江道の江界鶏工場卵生産職場

 「民族最大の祝日を経済強国建設の成果で輝かせよう」。このスローガンからも分かるように、主席の遺訓を遂行するうえで朝鮮が最も重視しているのが経済問題の解決だ。3月27日に開かれた最高人民会議第10期第5回会議で発表された国家予算を見ても、経済部門への投資は昨年比2.2%増の42.3%である。

 そのための鍵が技術改造と現代化。最高人民会議でも経済全般において技術改造と現代化を進めることがうたわれている。

 金正日総書記が昨年8月、訪ロの帰途、咸鏡北道の羅南炭鉱連合企業所に立ち寄ったことから生まれた「羅南の精神」も、技術改造が基本内容。経済の現代化を促進するのがその目的だが、これは総書記が最近明らかにした科学技術戦略にも網羅されている(労働新聞1月23日付)。

 実際、昨年平壌市郊外に建設された家きん牧場、養鶏工場、ダチョウ牧場、基礎食品(調味料)工場などはすべてオートメ化されている。また、先の最高人民会議では、全国の電力指揮系統のコンピューター化を実現して電力の供給、消費に対する監督と統制を強化すべきだとしたが、これも経済の現代化を促進させる1つの戦略だといえる。経済の根幹を握るエネルギー問題を、IT(情報技術)を通じて国家が管理するわけだ。

 朝鮮が「コンピューター秀才養成基地」と呼ぶ、IT分野の人材を育成するための大学や専門機関が各地に設けられている事実一つを見ても、この分野に対する力の入れようがわかる。

首都圏で土地整理

 年初から人民生活向上を1次的課題と位置付けているのも注目すべき点だ。「白米に牛肉のスープ、瓦つきの屋根をすべての人民に与えたい」という有名な言葉をひも解くまでもなく、このことは主席が逝去直前まで心にかけていたことだからだ。

 近年、オートメ化が推進されているのも、鶏工場や基礎食品工場、化粧品工場、絹織物工場など食と一般消費財関連だが、当面はこれら新たに設けられた工場をフル稼働させることで人民生活向上をはかる構想だ。

 農業部門では、種子革命、ジャガイモ農業革命、穀物対穀物の二毛作を引き続き推し進める。

 江原道で始まって以来、全国的規模で進められている土地整理。今年は平壌市、平安南道、南浦市と、いよいよ首都圏に手がつけられる。

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