朝鮮各地で耕作の準備たけなわ


 朝鮮の各地で耕作準備がたけなわだ。各地の農場では5月の末あたりから一斉に始まる田植えを成功裏に進めるため、苗床で苗を育てる作業に力を集中しており同時に田畑を耕す作業も進めている。

着々と進む土地整理事業
苗床作りにいそしむ農場員ら

 98年に江原道で始まった土地整理事業は、平安北道、黄海南道についで今年からは平安南道や南浦市、平壌市でも行われており、平壌市郊外の協同農場ではすでに着手しているところも多い。平壌市チャンチョン協同農場では、3月5日に土地整理事業に着手した。2000年の秋から黄海南道の土地整理事業などに出向いていた平壌市祥原郡の人々が携わっている。235町歩の畑地のうち、まず153町歩を田植えの前に行う予定だ。ちなみに3月末の時点で、目標の半分を終えている。

 「今年は特にやることが多い。でも民族最大の慶事が重なっている今年を、農業生産成果で輝かそうという農場員1600人の気持ちは1つです。彼らの士気は高いです」と話すのは同協同農場のチョ・ヨンピョ技師長(47)。

 1月と2月に堆肥の生産やトラクターをはじめとする機械の整備を滞りなく進めてきた農場員たちは、3月からは田を耕す作業と苗床を作る作業を行い、3月の下旬にはすべて終えた。チョ技師長は、適切な時期に田植えに着手できる準備は着実に進んでおり、暑いことが見込まれる今年はトウモロコシの種まきを15日ほど早くするなど対策も万全だと話す。畑ではきゅうり、トマト、白菜などが順調に育ち4月中旬から5月の間に予定通り収穫できるそうだ。

 ところが農場員の心配事がひとつだけある。それはここ数年続いている異常気象。昨年だけでも50年ぶりの寒さや気象観測以来はじめての干ばつなどがあり、今年に入ってからも1番寒い時期に雪ではなく雨が降っていた。

 しかし、「天を信じますか。自分の力を信じなければ」とチョ技師長は力強く言う。農場員たちは日程どおり作業を進めると共に、スプリンクラーの整備など異常気象に対処できるよう万全の体制を整えている。【平壌発=姜イルク記者】

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