6.15共同宣言の履行に新たな転機

北と南が共同報道文を発表


 わが民族同士手を結び民族の統一を目指すという6.15共同宣言の精神に則り、北と南が外勢の強硬策に起因する深刻なこう着状態を打開し、和解と団結を成し遂げるための新たな転機が訪れた。5日に行われた南朝鮮特使の平壌訪問を契機に発表された共同報道文は、緊張状態に陥らないよう北と南がお互い努力し、停滞していた北南関係を原状回復することに合意した。同時に共同報道文は、ブッシュ政権発足後の複雑な事態を収拾し、打開していくという民族の意志を内外に示した。

懸案解決し正常軌道へ

 南朝鮮特使の平壌訪問は、ブッシュ政権による露骨な対朝鮮圧殺政策によって緊迫化した情勢の下、南北関係がこう着状態に陥った中で行われたもので、民族の前に立ちはだかった重大な事態と南北関係問題を討議するところに目的があった。

 金正日総書記は平壌を訪れた特使と接見し、金大中大統領が送った親書をもらった。会談にはまた朝鮮労働党中央委員会の金容淳書記が臨んだ。これは今回の会談が北と南の両首脳の意を汲んで行われたものであり、外勢によって作り出された民族の危機を打開するため、北と南が席を共にした重要な場であったということを物語っている。

宴会で乾杯をかわす金容淳書記と林東源特使

 会談の成果として発表された共同報道文でも明らかなように、双方は歴史的な6.15共同宣言の基本精神に沿って、お互いを尊重し緊張状態に陥らないよう努力することを約束し、共同宣言の合意事項に従い一時凍結していた関係を回復することで合意した。また双方は、鉄道連結問題と対話、協力を推進していくことでも合意した。

 とりわけ新義州―ソウル間の鉄道だけでなく、新たに東海線鉄道と道路を連結することに合意したことで、この事業が朝鮮と米国が管轄する軍事境界線を貫き民族の血脈をつなぐ大切な事業で、政治的にも軍事的にも意義の大きいものといえる。また将来的には北の鉄道とロシアの鉄道が連結され、経済的にも意義のある事業だ。

 一方で経済協力推進委員会や米国の妨害で滞っていた金剛山観光の活性化、離散家族問題などの懸案が解決したことで、南北関係が正常軌道に乗ることができた。

早期実現望まれる朝米会談

 今回の会談と共同報道文の発表という成果は、外勢のあらゆる無謀な強硬騒動に決然と立ち向かい自主性を堅持してきた朝鮮の立場と、北と南の双方が力を合わせ、難局を打開するために傾けてきた努力の結晶といえる。今回の会談に至るまでの過程と結果は、外勢の干渉を排除しわが民族同士がどのように力を合わせていくかということが、6.15共同宣言を実践するうえで焦眉の問題にならざるを得ないことであり、北と南が力を合わせればいくらでも外勢の干渉を排除し、和解と団結を強めることができるということを如実に見せてくれた。

 朝鮮外務省のスポークスマンは南の特使が平壌を訪問した3日、3月に行われた朝米間の交渉結果を発表し、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)との協議再開など米国との緊張関係を緩和するうえで一定の前進があったことを示唆しながら、朝鮮に対する根拠のない中傷を繰り返してはならないと釘をさした。

 共同報道文が発表された後、米国の朝鮮担当特使の平壌訪問と朝米対話の再開が取り上げられている。ブッシュ政権は、北と南が団結し緊張打開と関係回復に合意したこの時期に、これ以上統一へと向かう民族の行進にブレーキをかけてはならず、不当な条件を撤回し朝米会談のテーブルに一刻も早く着くべきだ。

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