春・夏・秋・冬

  春の珍事 といってはファンに叱られるだろうか。阪神タイガースの快進撃が続いている。6日までで開幕以来の7連勝。敵地だけでの開幕連勝記録をまた更新した。昨年まで最下位常連だったチームとはまったく想像できない

▼野球の専門家ではないので技術的なことはよくわからないが、今年の阪神の強さは「何が何でも勝ったる」という勝利に対するどん欲さにあるような気がする。これまでは、あきらめが先に立ち、負け癖がついていた感じだが、今年は勝ち癖がついている。チームに勢いがあるのだ。勢いとは不思議なもので、ひょっとしたらこのまま突っ走ってしまうかも、と一抹の期待を抱かせてくれる

▼もちろん、この時点で優勝を口にするのは早すぎるが、暗いことの多い世の中で、久しぶりに明るい話題ではある。というのも、 ダメトラ などとレッテルを張られていた弱小チームのがんばっている姿が、われわれ庶民にいろんな意味で夢と希望を与えてくれるからだ

▼不況にリストラ、将来に対するばく然とした不安、にっちもさっちも行かない現実。長いトンネルからいつ抜け出せるともしれない、そんな状況の中で、「がんばれば何とかなるさ」と思わせてくれる。勢いがあれば困難も突破できる。自然、追い風も味方する

▼朝鮮半島にも追い風が吹いてきた。金大中大統領の特使、林東源大統領外交安保統一問題担当補佐役の訪北をうけて、北南当局は一時凍結した関係を原状回復すると発表した。KEDOとの対話再開なども好材料。この勢いで情勢が好転することを願うばかりだ。(聖)

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