同胞の店

たこ焼き・大判焼き・楽々亭
(山口県・新南陽市)

この道22年、ベテランの味/大きい真ダコ、ふっくらした生地


 近隣の日本の小学校が下校時間になる頃には、安くておいしいできたてのおやつを求めて子どもたちが列をなす。

 ぴかぴかに磨き上げられた鉄板の前に立ち、串でたこ焼きをくるくると回す「楽々亭」の主人、黄忠雄さん(50)は、この道22年のベテランだ。

 看板メニューは、真ダコ入りの「タコ焼き」(10個入り、350円)。親指大の大きな真ダコが入っており、ボリューム満点だ。鶏がらで取っただしを加えて1日寝かせた生地は、「火力が勝負」というだけあって、外はかりっと、中はふっくら焼けている。甘辛いソースとの相性も抜群で、多い時には1日100食は出るそうだ。

 また、老若男女問わず幅広い層に人気なのが、大判焼きだ。定番のつぶあん、白あん、カスタード、チョコはそれぞれ、1個80円。季節限定の変り種(1個100円)もあり、紫芋あん、餅入り、チーズあんなどオリジナルの品が並ぶ。熱々の湯気の中からたっぷりつまった黄金色のカスタードクリームやつぶあんが顔を出し、ふっくら優しい味が口の中に広がる。思ったより甘くなく、飽きのこない味が人気の理由のようだ。

 時には奥さんの文順子さん(47)とともに店に立つことも。「立派な朝鮮人に」と、たこ焼きを焼きながら5人の娘を朝鮮学校に送った。長女は徳山朝鮮初中で教べんを取り、末っ子は同校の中級部に通う。

 「おいしいたこ焼きを食べに来て欲しい」と語る黄さん。地元周陽支部徳山分会の分会長として、地元同胞からの信望も厚い。(花)

 おすすめメニュー 揚げダコ(8個入り、250円)、焼そば(肉、野菜入り、350円)、スペシャルお好み焼き(イカ、卵、エビ、肉、そば入り、500円)

 営業時間 午前9時〜午後8時、火曜休。山口県新南陽市政所2―2―3。TEL 0834・63・6114。

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