大胆なアイデア、実践でより多くの相談解決を
東京、大阪で同胞生活相談綜合センター所長会議
同胞生活相談綜合センター所長会議が総聯大阪府本部(3月28日=西日本地方)、総聯東京都本部(29日=東日本地方)でそれぞれ行われ、総聯中央の許宗萬責任副議長、゙令鉉副議長(西のみ)、河秀光同胞生活局長、各センター所長らが参加した。99年9月から設立に着手された各地センターの、これまでに培われた経験と方法論を共有し、さらなる活性化をはかることが目的。両会議で結びのあいさつをした許責任副議長は、センターの活動と民族教育事業は総聯活動の柱だと強調。幅広い視野と大胆なアイデアでセンターを活性化し、同胞の生活を守っていこうと訴えた。会議の報告から各地の経験を拾った。
高齢者に生きがい
会議では大阪・生野南センターの邵哲珍所長と広島・西センターの呂世珍事務長が基調報告をした後、各地のセンター職員が活動報告を行った。 呂事務長は、今月から始まった同胞高齢者向けのデイサービス事業について発表。介護事業に参入するにあたって同センターが協力を得たのは、市内で訪問介護会社を経営する同胞女性だ。介護サービスに関するノウハウを彼女から学びながら、センターは事務所を改造したり、対象となる同胞高齢者の発掘やヘルパー育成に取り組んでいる。介護事業で経験を積んでいる京都・エルファでの研修も行った。今後は福祉分野の人材をセンターが責任をもって育て、同胞社会における雇用問題や広島初中高の保健室の充実化にも取り組みたいという。 川崎センターの梁吉洙所長は、同胞高齢者を支援する川崎高麗長寿会の活動について報告。同会が市から老人クラブの認可を得て助成金を獲得したり、ダンスや朝鮮の歌などを楽しむ「ソロトプチャ高麗」を立ち上げ、高齢者に新たな生きがいを与えることができたと語った。 生野南センターの邵所長は、設立後の3年間に寄せられた相談案件、そして窓口に訪れた同胞に対する詳細なデータと分析に基づいて現状と課題、問題点を報告した。 邵所長は、センターには同胞の生活に関わる大小の相談が寄せられており、窓口に訪れる6割が総聯同胞だと指摘。より多くの同胞にセンターを活用、満足してもらうためには、センターをより専門化し、総聯以外の同胞に広くアピールしていくことが課題だと述べた。今後は、常時対応、秘密厳守を原則とし、専門家、相談員によるセンター運営委員会を強化する、と従来の心得を確認したうえで、月1回1500戸の世帯に配っている情報紙「ヨボセヨ」を活用し、一方通行ではなく、同胞と行き交う関係を築いていきたいと述べた。 民族性育む活動も 兵庫・須磨垂水センターでは7年前から@同胞密着A新しい世代を中心にB民族教育の発展――を重視しながら文化スクールを運営してきた。開設のきっかけは95年の阪神・淡路大震災。力を失っていた同胞らの心をいやし、復興に向けた力と勇気を与えるためゴルフ、エアロビクス、登山、囲碁、歴史探訪、チマ・チョゴリ製作、日曜大工、英会話、朝鮮語、釣りなど30余のスクールを長期(1年)、中期(半年)、短期(3カ月)、10回コース、5回コースなどに分けて運営。実数160人、延べ400人を超える同胞と子どもたちが月に3〜4回は会館を訪れるようになった。 同センターの金徹所長は、文化スクールを運営する過程でセンターに顔を出さなかった同胞が訪れるようになり、互いに交流を深め自然に民族性を身につけるようになったと述べた。(羅基哲、張慧純記者) |