東京 日校生と朝高生が一つに
恒例の学生会公演
東京、西東京、千葉、埼玉の日本の高校に在学する同胞生徒たちによる文化公演「ウリ ハムケ(ともに)」(日校在学朝鮮人学生会主催)が3月28日、東京・北区の滝野川会館大ホールで行われた。日本学校に通う同胞生徒たちが学生会活動の成果を総括し、披露する場として毎年行われている恒例の公演。この日の観覧者は500余人。ホール内は立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。
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オープニングは、日校学生会生徒たちと友情出演した東京朝高生徒たちによる合唱「我らは一つの民族」。 続いて、ギターとピアノの演奏「リムジンガン」、学生会生徒と東京朝高生が共に出演した「チャンダンノリ」「農楽」などが披露された。また、大人になった学生会時代の仲間たちが日本社会や通名のことなどを話しあい、ぶつかりあった高2の頃のサマースクールを振り返りながら、在日として生きる力、真の友情とは何かを改めて考える姿を描いた演劇「チケット」には、観客席から大きな拍手が送られた。 最初は少し緊張した面持ちの日校生たちだったが、公演が盛り上がるにつれ緊張がほぐれてきたのか、名前が呼ばれると満面の笑顔で応えたり、演劇ではアドリブを交えるなど舞台を楽しむ余裕も見せ、観客の笑いを誘った。 フィナーレでは、今年で学生会活動を終える高3の生徒たちがあいさつ。これからも自分たちは朝鮮人であり続けるという手紙を代表が読み上げると、客席では涙ぐむ人も見られた。公演は、合唱「心の扉をひらいて」で幕を閉じた。
東京学生会会長を務めた白祥明さん(17、開成高校3年)は、「当初は意見がかみ合わず、うまくまとめていけるか不安だったが、みんなが助けてくれたおかげで公演を無事終えることができた。朝高生からは学ぶ部分が多かった」と語った。 演劇「チケット」に出演した東京朝高の金皙徹さん(17、高3)は「朝高生と日校生が何かひとつのことを一緒にできるというのは素晴らしい。練習をする過程で意見の相違や悩みもあったが、苦楽を共にすることで新たな友情が芽生えたと思う」と話していた。 また、公演観覧者からは、「これから朝鮮人として生きていくパワーが伝わってきた」「朝高生と日校生が同じ舞台に立つことなど、ひと昔前までは考えられなかった。これからもこういう機会が増えればいい」などの感想が寄せられた。(金明c記者) |