医療−最前線
子供の事故防ごう
ゴールデンウィークももうすぐ。新聞を賑わすもので目につくのは、車のなかに放置された幼い子供が熱中症にかかる痛ましい事故。気温は低くても、晴れていれば日差しは強烈。子供の事故を防ごう。
昨年、国民生活センターが行った実験では外気気温が23〜27度の時でも、57〜58度まで上昇した。とくにダッシュボードは87度にもなった。いって見れば車中はサウナ状態。こんな中に、幼い子供が長時間いると、熱中症や脱水症にかかる危険性は高い。エアコンをつけても何かの拍子で切れる場合もあるので要注意。 また、子供を事故から守るチャイルドシートだが、バックルの金属部分が高温になることを気づかずに火傷を負わせる事故も多発している。 このほか、高温の車内では、使い捨てライターや炭酸飲料の缶、カー用品のスプレー缶などの破裂事故などもよく起きる。 スプレー缶の破裂では、車のガラスが割れた事故もあった。 幼児にとっては、車内の各種部品は格好のおもちゃになる。パワーウィンドーは大根やリンゴを両断する力もあった。子供の首が挟まり、窒息死した最悪のケースも。 欧米では危険を避ける判断能力のない子供を車内に放置すること自体、犯罪行為だとされる。大人がしっかり子供を見守るのが常識である。 まして、幼い子供を1人で出歩かせたり、留守番させたりすることも「考えられないこと」である。不注意からとんでもない事故を招かないよう、大人の責任を果たしたいもの。(李秀一・医療従事者) |