人・サラム・HUMAN
いつもフレッシュな感覚を
プロの司会者・金坊昌さん
プロの司会業を営んで11年目。「ウリハッキョの頃、口演大会ではいつも優勝して、ウリマルに自信を持っていました。人前で話すのは苦ではありませんでした」。
専門家らが太鼓判を押す朝鮮語の発音は、中学1年生の時、アボジに買ってもらったラジカセで聞いた平壌放送仕込み。アボジに「高価なものを買ってやる代わりに毎日1時間必ず平壌放送を聞くこと」を約束させられた。この習慣は10年間、東京朝高、朝大を卒業するまで続いた。 朝鮮語も日本語も流ちょうにできるプロの司会者への道は、思ったほど容易ではなかった。100人ほどが受けて3人が合格というオーディションの狭き門を突破。それからが大変だった。発音を磨くためにテレビ局のアナウンサーや専門家らの厳しい指導も受けた。10カ月の訓練期間を経て、デビュー。 「例えば一流ホテルの結婚式のスタッフは100人ほど。ここでメーンの司会を、朝鮮人として看板を掲げて仕事をする訳だから、個人であって個人ではない。民族のプライドをかける意気込みと緊張感を常に持っています」とキッパリ。 1年に100組ほどの結婚式を手掛けたこともある。人生の門出を彩る演出を手助けするうえの心得は「フレッシュな感覚を忘れないことと、自分の中に色々な引き出しを詰めること」だと語る。 OFFICE TANGUN(TEL 03・3805・2653) 女性の連帯は分断を越える 青山学院大助教授 シン・ヘボン 先日、東京・上野で開かれた、在日本朝鮮人人権協会主催の同胞女性学習会で講師を務めた。「女性国際戦犯法廷の判決とその意義――『慰安婦』問題はどう裁かれたか」。 「慰安婦」問題に関って10数年が経つ。ジュネーブ留学中、国連会議傍聴の際に、ロビーで親しげに写真を撮る南北代表たちの姿を目撃した。分断ゆえ、互いに反目し合っていた南北が「慰安婦」問題に関しては協力できる、女性の連帯は分断の壁を越えるということを実感した。 「慰安婦」問題は「50年前なら私の問題」ととらえる。そこには女性として、同胞として、決して他人事ではないという強い意思が込められている。 質疑応答の時間。同胞女性の質問に、飾らずにこやかに受け答える。青山学院大学・法学部助教授。専攻は国際法。主に国際人権法を研究している。35歳。 |