米との合意を全面検討
朝鮮外務省代弁人談話(全文)
米のブッシュ行政府が朝鮮など7カ国を核攻撃の対象に指定し、「限定核攻撃」のための小型戦術核兵器の開発を決めたことと関連して13日、朝鮮外務省スポークスマンが発表した談話の全文は次のとおり。(朝鮮通信)
最近、米国の出版物の報道によると、ブッシュ政権がロシアと中国、そしてわが国とシリア、リビア、イラン、イラクなど7カ国を核攻撃対象に指定し、「限定核攻撃」のための小型戦術核兵器を開発することにしたという。 米国は、これらの国に対し、通常兵器では破壊できない地下の目標に対する攻撃、生物・化学兵器の攻撃に対する報復攻撃、予測できない軍事的状況の変化に備えた対応などの目的から、こうした核攻撃計画を策定したという。 もし、これが事実であれば、執権当初から世界制覇に対する狂信的な野望と無謀さでその都度世界を驚がくさせてきたブッシュチームが、今や歴代政権が順守してきた核不使用保証公約すらも弊履のごとく捨て去っていることを示すものとなる。 周知のように、核兵器保有国が非核国に対する核の不使用保証を公約した1978年の国連軍縮特別総会で米国は、非核国が「他の核兵器保有国と連合して米国やその同盟国を攻撃してこない限り、核兵器を使用しない」との政策声明を発表した。 これが、核拡散防止条約をはじめすべての国際的な核軍縮合意を実現、維持してきた根本の礎であった。 とくにわが国の場合、米国は1993年の朝米共同声明と1994年の朝米基本合意文を通じ、朝鮮民主主義人民共和国に対して「核兵器を使用せず、核兵器で威嚇もしない」という特定された保証をした。 この保証にもとづきわれわれはこの8年間、朝米間にわれわれの核施設凍結対米国の軽水炉提供を骨子として朝米関係の改善をめざした基本合意文による義務を誠実に履行してきた。 しかし、今回暴露されたブッシュチームの核攻撃計画は、米国がいかなる国際的合意も意に介することなくひたすら力による世界制覇を追求しており、その障害になるとみなす国に対しては双務的合意もすべて覆して核攻撃をしようとしていることを示している。 このように、米国がブッシュの執権のもと、平和を愛好する人民とは一緒に暮らすことのできない核のならず者国家として君臨しようとしている事実の前で、全世界が衝撃と憂慮を禁じえないでいるのは至極当然である。 ブッシュチームの核攻撃計画は、核兵器を使用してでもわが国の制度をなくしてしまいたい、そのためには核戦争の惨禍で全朝鮮民族を地球上から抹殺することもためらわない、分別のない者たちの妄想である。 核狂信者集団がホワイトハウスに居座っているこんにちの事態に対処し、われわれは米国とのすべての合意を全面検討せざるをえなくなった。 われわれに対する米国の核攻撃計画が事実として確証された場合、いかなる朝米合意にも拘束されず、それに対応する実質的な措置を講じざるをえなくなる新たな情勢を作り出すことになるだろう。 |