取材ノート
新たな展開へ
総聯中央教育局長のインタビューに続き、「よりよいウリハッキョを―現場の取り組み」と題し、校長や教育会長など各地の学校関係者に対するインタビューの連載を始めた。
教育局長も現場の校長、教育会長も、生徒数の減少と財政のひっ迫が絡まりあって学校を襲っている現状に対する認識、危機感は共有している。ではどうするか。それぞれの位置に相応しい、必要な努力を重ねるしかない。その一端を紹介するのが「よりよいウリハッキョを」の趣旨だ。 危機的状況を作り出した責任の多くは、朝鮮学校を制度的に差別してきた日本政府にある。こうして背負わされた助成、資格面での重いハンディを少しでも軽くするため、学校現場と地域同胞は行政に働きかけ、時にはたたかい、住民らに理解を求め、わずかずつながらも地方自治体からの補助金を勝ち取ってきた。 しかし政府レベルでは一切の補助はなく、資格面でもいまだに普通の「学校」扱いすらされていない。もちろん、その壁が厚いのは事実だが、地域レベルでやってきたことに比べ、中央レベルでやってきたことが十分でなかったのもまた事実ではないだろうか。もちろん、国連の場で訴えるなど外堀を埋める活動では大きな成果もあった。でも厚い壁の前で、正面突破を避け、ただ手をこまねいていたばかりだと指摘されても仕方がない側面もある。 教育局長はインタビューで、日本政府による「制度的な差別を抜本的に是正させ、朝鮮学校の安定した法的地位を確保するため全力をあげて取り組む決意」だと述べ、関連各局、各団体で具体的な対策を協議中だと明らかにした。訴訟による裁判闘争も視野に入れていると聞く。3月には、総聯中央常任委員会の諮問の場として、各界各層の在日同胞約20人がメンバーとなる「民族教育協議会」も発足する。 運動の新たな展開に期待したい。(東) |