南での事業打ち切り
国家責任回避の「国民基金」
旧日本軍の性奴隷にされた各国の元「従軍慰安婦」に対し、民間の募金をもとにした「償い金」などを支給してきた「女性のためのアジア平和国民基金」(村山富市理事長)は20日、南朝鮮での事業を、5月1日までの申請受け付け分をもって終了すると発表した。5年間の期限を迎えたためだが、南の政府と世論の反発により支給事業は99年7月から事実上中断。基金側では期間延長を表明していたが、結局断念することになった。
同基金は95年、村山内閣が創設した。「国家賠償は解決済み」とする日本政府に代わり民間募金を基本にしたもので、国家的な補償を求める被害者や各国政府は「日本政府の責任回避策だ」と当初から強く反発していた。南では97年から支給が始まったが、金大中政権は98年から被害者らに「償い金」相当の生活支援金を支給し、受け取り拒否の姿勢を示した。基金側は医療施設建設などの転換を検討したが、99年、南の政府は改めて拒否を通告している。 |