金剛山歌劇団「ヒャン」公演
池袋の日本の小学校で
金剛山歌劇団器楽部メンバーによる「ヒャンV」の公演が各地で行われている。1月17日には東京・豊島区立池袋第1小学校で、1月12日には東京・町田市の西東京朝鮮第2初中級学校で公演が披露された。
サンモに興奮
池袋小では同校の児童、教職員、保護者ら300人が公演を観覧した。日本の小学校での公演は初めて。 歌劇団メンバーは民族楽器についてわかりやすく解説しながら、赤トンボとアリランのアレンジ、朝鮮の曲「鳳凰」や映画「千と千尋の神隠し」のテーマ曲などを披露した。日本の教科書に掲載されている朝鮮の昔話「三年峠」の朗読も行った。 とくに好評だったのがチャンゴ、プクなど朝鮮の代表的な打楽器を使ったプンムルノリ。演奏者が帽子の先端に白い帯状の布をつけたサンモを回すと、会場内は歓声に包まれた。続けてサンモで描いた円を乗り越えるゲームが行われ、子どもたちを大いに沸かせた。 朝鮮の民族楽器の存在を初めて知った日本の子どもたちは一様に感激した様子。「『鳳凰』の曲は本当に鳥が空に飛んでいるみたいだった」(井上智恵、3年)、「アリランと赤とんぼを一緒に弾いてくれたけど音色がすごくきれいだった」(岸本まき、3年)などと感想を語った。 辻きよみ教員は、「今後も交流の場をどんどん作っていきたい」と話していた。 西東京第2初中でも
西東京第2初中では児童、生徒、保護者ら120余人が観覧。この日の公演は民族器楽の音色を体験することで子どもたちの民族的な情緒を育もう、と授業の一環として企画されたものだ。財政面のバックアップはオモニ会が行った。 公演では民族楽器の合奏、チャンセナプ独奏、ソルチャンゴとドラムの演奏、民謡独唱などが披露された。また中級部3年の生徒たちはリコーダーで「シナウ」を演奏し、歌劇団員らとジョイントした。 子どもたちは、70年代に朝鮮で作られた弦楽器で、日本に1人しか奏者がいないとされるオンリュグムの優雅な音色やチャンセナプ奏者の音を長く延ばす技術に感激した様子だった。 また、在日朝鮮人として初めて朝鮮の「2.16芸術賞」コンクールで1等を受賞したチョッテ奏者の李在洙さんにも注目が集まった。李さんは朝鮮で特訓を受けた時、寒さの中で練習に励んだ話に触れながら、民族楽器への熱い思いを伝えていた。 |