最終段階に入った準備活動

「経済活動と生活向上」を徹底

「ハナ信用組合」設立発起人会 朴忠佑代表に聞く


 「ハナ信用組合」設立のための準備が最終段階に入っている。今後開催が予定される創立総会に向けて、昼夜をわかたず設立準備に東奔西走している発起人会の朴忠佑代表(52、且O佑商事代表取締役)に話を聞いた。

現在、約90億まで到達

 ―最終段階に入った準備活動について。

 周知のとおり、「ハナ信用組合」設立発起人会では、昨年11月12日に関東財務局に新信組設立のための予備審査を申請しました。事業計画書、設立趣意書、定款、業務方法書、約4000人分の出資同意書を提出しました。額面では57億6500万円です。

 その後、約2カ月間にわたって当局と、詳細な問題にいたるまで協議を重ねており、認可の要件を完全にクリアするための折衝は、最終段階に入っております。

 出資金の予約状況は1月23日現在、1都8県で7000人、約90億円に達しています。

 法的には自己資本比率が4%あれば構わないのですが、「ハナ信用組合」は破たんした朝銀の譲受組合として新しくスタートするため、より安全に6%以上を目指しています。これは金融当局の要求でもあります。

 出資金は100億円以上確保しようと思います。そのため、発起人はじめ各地の準備委員、同胞商工人たちは残る10億円の出資金を集めるために奮闘しています。

すべての法律要件充足

 ―「本当に認可がおりるのか」と心配する同胞も一部にいるが。

 日本のマスコミ報道と引き続く不況、BSE(狂牛病)騒動、4月のペイオフ解禁を前に増幅する金融不安などによって、一部の同胞の間から出ている不安の声は直接聞いています。

 認可が下りないことは決してないと断言できます。

 日本の金融当局は一貫して、「認可の問題は法律にのっとって粛々と、現行の認可条件の枠組みの中で処理する」と述べています。

 実際、昨年11月末には公的資金が投入され、朝銀北東、朝銀中部、朝銀西に対する事業譲渡が完了しました。「ハナ信用組合」はスタート時、自己資本比率6%を超えるだけでなく、すべての法律要件を充足させるので心配ありません。

組合員のための組合

 ―同胞たちは、民族金融機関を再生させる一念で出資金を出しながらも、朝銀破たんの教訓を必ずや生かし、「組合員のための信用組合」となるべきだと語っていますが。

 私たち発起人は当初、各地で説明会を開きましたが、質問や意見が少なくありませんでした。しかし、大部分の参加者は、1世が血と汗で残した学校と朝銀という立派な財産は同胞社会にとって、2つの大きな柱だ、その1つが危機に瀕しているとすれば、必ずや新しい民族金融機関を立ち上げねばならないと話していました。そのためには、新しい組合で教訓をきちんと生かさなければならないということでした。

 私をはじめ発起人たちも同じ考えでした。私たちは徹底してこの立場から設立準備を進めてきました。

 その結果、私たちがたてた事業計画は、徹頭徹尾、経済企業活動と生活向上のための相互扶助精神にもとづき、地域密着の民族金融機関としての使命を果たす見地から具体化されています。

 例えば経営方針では、外部監査制度を積極的に導入して経営の健全性、透明性を確保し、組合員の信頼を得るため情報開示も徹底的に行うとしています。

 「ハナ信用組合」は理事、監事、総代、組合員らが真の主人となるよう、組合運営においては民主主義を徹底的に守り、自己の責任の明確化、相互牽制制度の強化、法令遵守とリスク管理のシステム化などを実現していかねばなりません。

 役員問題も慎重に検討しました。経営理念、経営方針、事業計画は人間が行います。

 私たちは、1世が発展させてきた朝銀を破たんさせたのも究極的には人間であるとの深刻な教訓から、安心して任せられる、同胞の忠僕として役員陣営を築きたい所存です。

 創立総会で選挙されると思われますが、現在、理事長としては朝鮮大学校経営学部の尹弼錫学部長、副理事長に2カ所で支店長を歴任した40代の職員、常務理事に日本の金融機関で支店長を歴任した金融専門家を予定しています。また、非常勤理事18人の中には、準備過程で力を尽くした発起人たちがほとんど含まれます。

 発起人らは準備過程で同胞たちから出された意見を、責任をもって遂行する決意でいます。また、常勤監事1人を含め監事は全4人です。

 総聯との関係においては、人事と経営問題はわれわれの独自性を堅持し、同胞社会のコミュニティーという見地から協力関係を持とうと思います。

初年度4億の純益予定

 ―「ハナ信用組合」の展望について。

 新しい組合は不良債権がまったくない状態から、預金1600〜1700億円、貸出金1200〜1250億円で出発します。初年度は貸倒引当金12億円を計上するので、業務純益は4億円以上となり、出資配当は1%を予定しています。

 2年目からは業務利益17億円、出資配当2%の実現を目標にしており、必ず達成できると確信しています。

 現在、われわれ発起人、準備委員たちは残りの10億円を集める決意でいます。より多くの同胞が新信組の出資者になってくれること、とくに出資金の現金化に積極的に協力してくれるよう願います。(羅基泰記者)

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