わい曲教科書に反対

日本の市民、団体がネットワーク
アジア各国と連帯し運動


 歴史わい曲教科書に反対する運動を続けてきた日本の市民と各団体による「歴史教育アジアネットワークJAPAN」が2日、発足した。

 発足のきっかけとなったのは昨年6月、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書に憂慮するアジア各国の250人(朝鮮代表は日本政府が入国拒否)が東京で開いた「歴史わい曲教科書を許さない! アジア連帯緊急会議」。同会議参加者は、歴史わい曲教科書に反対し、和解と信頼に基づく平和と人権のアジア作りを担っていける子どもを育てるのに相応しい歴史教育の確立をめざして協力するために、歴史教育アジアネットワークを結成していくことを確認した。これを受け、まずは「火種」の日本からと9月、子どもと教科書全国ネット21、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NET JAPAN)、ピースボートが呼びかけ、今回の発足に至った。

 主な活動として@情報の分かち合い(日本の情報を海外に知らせる、海外の情報を会員に知らせる、HPを作る)A調査・研究活動(歴史教育のための共同の副読本を作る、ジェンダーの視点から歴史教育を考える、歴史教育に関するアジアレベルのシンポジウムを開催する)B共同行動(「新しい歴史教科書をつくる会」協賛企業への公開質問状、国際的不買運動、教科書展示などの啓蒙活動)――を掲げている。当面しては中国、南朝鮮、日本の研究者、市民団体が3月28日に南京で開く「歴史認識と東アジアの平和フォーラム〜日本の歴史教科書問題」に積極的に参加する。また今後、同様の会議を東京やソウル、平壌でも開いていくことを目指している。

 2日、東京・代々木で開かれた発足集会「アジアの人々との歴史の共有をめざして」には280余人の各界各層市民が参加した。

 まず、韓国翰林大学日本学研究所長の池明観氏が「アジアの人々との歴史の共有を目指して」と題して記念講演を行った。次に梁美康・日本教科書正す運動本部執行委員長が南での運動について報告し、ネットワークの共同代表の一人である俵義文・子どもと教科書全国ネット21事務局長が今後の課題とネットワークの活動内容について述べた。

 続いてリレートークが行われ、西野瑠美子・VAWW−NET JAPAN副代表、尹貞玉・韓国挺身隊問題対策協議会前代表、段躍中・アジア歴史問題懇話会事務局長、坂井俊樹・東京学芸大教授、中学社会科教員の三橋広夫さん、「杉並の教育を考えるみんなの会」の丸浜江里子さんが、歴史教科諸問題の現状やネットワークへの期待、研究や市民運動などそれぞれの立場から発言した。

 なお発足集会には、インドネシア、マレーシア、フィリピン、中国、台湾の団体や個人とともに、朝鮮の「従軍慰安婦」および太平洋戦争被害者補償対策委員会からもネットワークの発足を祝し、期待を寄せるメッセージが寄せられた。

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