子供たちよ これが
ウリハッキョだ
こどもたちよ
これがウリハッキョだ
校舎はまだみすぼらしく
教室はたった一つだけで
つくえは
お前たちがよりかかれば
ギイと音をたて今にも壊れそうだし
窓にはガラス一枚入れることもできず
長い冬には
四方から
肌を刺す木枯らしが
隙間から入り込み
お前たちの桜桃のような両頬を青白くさせ
そして雨の日には雨が
雪の日には雪が
また1948年3月には
とんでもない嵐が
この窓をやぶり
お前たちの本をぬらし頬をうち
しまいには勉強までやめさせようと吹き荒れ
それに見渡せば
あるものすべて
涙をさそわないものはない
ウリハッキョだ
けど
こどもたちよ
お前たちは
ニホンノガッコウヨリイイデスと
たどたどしい朝鮮語で
―私たちもいつかは
日本の学校より何倍も大きい建物つくろうじゃ
ないかと
この泣きぬれる先生を励まし
そして
また今日もカバンをさげ
堂々とこのハッキョに来るのだな
こどもたちよ
これがウリハッキョだ
たとえ校舎は貧弱で小さく
大きな滑り台 ブランコひとつ
置くこともできず
お前たちが遊ぶ場所もない
貧しい学校だけれども
こどもたちよ
ここがただ一つ
祖国をはなれ数万里異国で
育つお前たちに
ふたたび祖国を伝える
たった一つのウリハッキョだ
ああ、
幼き同志たちよ
(訳・全佳姫) |