開城工業地区通信に関する合意書


 北南経済協力推進委員会第3回会議の合意に沿って、6〜8日まで金剛山で行われた開城工業地区建設のための実務接触で採択された通信に関する合意書の全文はつぎのとおり。

 北と南(以下「双方」)は、開城工業地区(以下「工業地区」)の内部および工業地区と南側地域の間での郵便、電気通信を円満に保障するため、つぎのように合意する。

 第1条 定義

 1、「郵便物」とは、一般郵便物と小包郵便物を指す。
 イ、「一般郵便物」とは手紙、葉書、書類、新聞、雑誌、書籍など郵便で送るものを意味する。
 ロ、「小包郵便物」とは手紙や貨幣のように、禁止されている以外のものを指定された大きさで包装し、郵便で送るものを意味する。
 2、「電気通信」とは、電磁気的方式を利用して音響、文字、符号、映像を送受信する有線または無線の電話、インターネット資料、映像およびビデオ通信、衛星通信などを意味する。
 3、「人員」とは、工業地区開発と管理運営、企業創設と経営活動、工業地区の視察、観光などを目的に常駐したり、出入する南側および海外同胞、外国人とその家族などを意味する。

 第2条 基本原則

 1、南側地域と工業地区間の郵便および電気通信交流は、国家間の交流ではなく民族内部の交流である。
 2、双方は、工業地区内部および工業地区と南側地域間で、自由な郵便と電気通信を保障する。
 3、南側地域と工業地区間の郵便および電気通信は、第3国を経由せず直接交換、連結する。
 4、双方は、工業地区内部および工業地区と南側地域間の郵便、電気通信の内容に対する秘密を保障する。
 5、双方は、工業地区内部および工業地区と南側地域間の郵便、電気通信とその施設を、政治・軍事的目的で使用しない。

 第3条 郵便物の交換

 1、双方は、郵便物を安全かつ迅速に伝えるようにする。
 2、双方は、工業地区の郵便業務を遂行するための管理機構の設置と、郵便物交換に関する秩序を協議し定める。

 第4条 電気通信網の設置および運用

 1、双方は工業地区の電気通信交流が円滑になせるよう、指定された事業者が必要な施設を設置、運営するようにする。
 2、通信事業者は北南が合意した場所を通じ、電気通信網を直接連結する。
 3、双方は、電気通信網障害に対処するための非常通信保障体制を確立し、通信網を迅速に復旧させるために協調する。

 第5条 相手側の法律制度と国際慣例の尊重

 双方は、郵便および電気通信と関連した相手側の法律制度を尊重し、国際協約および国際慣例を尊重する。

 第6条 情報提供

 双方は、通信と関連して制定または修正、補充する法規を通報し、相手側の資料協調要請に対し特別な事情がない限り滞りなく応じる。

 第7条 解釈および適用

 本合意書の解釈および適用と関連して生じる問題は、北南経済協力推進委員会または同委員会が委任する機構で協議し解決する。

 第8条 修正および補充

 双方は必要な場合、合意書の条項を協議し修正、補充することができる。
 修正、補充される条項は、第9条第1項のような手続を踏んだ後に効力を有する。

 第9条 効力発生および廃棄

 1、この合意書は、双方がサインしそれぞれが効力発生に必要な手続を経て、文書を交換した日から効力を有する。
 2、この合意書は北と南の関連法規と同じ効力を有する。
 3、この合意書は、相手側に廃棄の意思を書面で通知しない限り効力を有する。
 廃棄通知は通知した日から6カ月後に効力を有する。

日本語版TOPページ