ウリハッキョ保健への新たな取り組み(下)

学校保健活動への同胞医療従事者の積極的参加

あさひ病院 金英宇


 3、新しい取り組みの内容について、紹介と提言をする。

 新しい取り組みで重要なことは、ひきつづき学校での健康診断を充実化させることだ。それとともに、今後、学校教育全体を通じた健康教育の推進に、学校医をはじめ各分野の医療人の参画がより強く望まれている。

 まず、新しい「健康教育の鍵」として重要視されている「ヘルス・ビリーフ理論」について簡単に紹介する。

 この概念を要約すると、3つの点ではないかと思う。

 人が健康の大切さに目覚めること、健康に関する知識の取得だけでなく、自分も罹患する可能性があるから予防活動に参加すれば個人的・社会的なメリットがあると自覚すること、この予防活動を絶対に実行するという信念を強く持つこと、の3点だ。

 次に、保健教育活動へ医療人が参画するにおいて、その主な方向について、3つ上げられているが、簡単に紹介する。

 第一に、教科書に入っている健康問題カリキュラムの内容を、教員らがより良く理解し、消化するよう手助けすることだ。

 今、日本の小中高校では、教育行政の主導と医師会の協力のもとに、各地で学校保健講習会や少人数による個別指導、教材などの提示と提供が盛んに行われている。

 ウリハッキョでは、昨年度に新しく制定した「学校保健規定」を今年度から本格的に実践する段階に入っており、新たに「学校保健」教材を作成する準備も進めているが、このような努力に、私たち医療従事者も積極的に参画し、手助けすべきだと思う。

 第二に、学校医と学校歯科医をはじめ、より多くの各種分野の医療従事者が、学校での健康授業や保健講話などに積極的に出演する必要がある。

 今、多くのウリハッキョから健康授業へ出てほしいとの要望が増えているから、お願いする次第だ。

 第三に、毎年4〜6月の定期健康健診の時に前後して、児童生徒と教員たち、学父母たちに健診についての解説を行うことだ。

 また、学校内での健康まつり、テレビ健康番組、救急手当の実習などへの手助けも必要だ。

 ただ、ここで留意しなければならないのが、私たち医療従事者は専門家・プロとして参画するので、素人を前にやたら専門用語を使ったり理解困難な教材を出したりするなどの点がないようにすべきである。

◇    ◇

 21世紀は、児童生徒の生活習慣病などへの対応という視点から「健康教育の時代」と呼ばれている。その表れの一つとして、日本をはじめ各国で、「健康教育師認定制度」についての具体的な議論がされている。

 ウリハッキョの保健活動にいつも思いを持っている私たちとして、ウリハッキョの保健活動も21世紀の「健康教育の時代」にふさわしいものに発展させていくため、大いに寄与したい。

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