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「わが国の主権は地に落ち、国民の自尊心は完全に踏みにじられた」。女子中学生2人をひき殺した駐韓米軍兵士2人が無罪判決を受けたことに反発し、ブッシュ米大統領に直接抗議するため市民団体の代表7人が訪米している。団長の韓相烈氏が出発に先立ち空港で述べたのが冒頭の言葉。「殺人犯はそれ相応の処罰を受けねばならないというのが国民の意思だ」と代表の一人、洪根洙牧師も強調する
▼なぜ、人を殺した人間が無罪になるなどという理不尽な事がまかり通るのか。それは「韓米地位協定」(SOFA)で、米軍兵士の犯罪に対しては米側に裁判権があるからだ。6日にワシントンで開かれる安保協議会でSOFA改定問題が話し合われる予定だが、どうも南側が裁判権を持てるような抜本的改定には至りそうもない ▼自国の人間が無残に殺されても、何の処罰も加えられない。それでは国の主権を奪われたのと同じことだ。訪米中の代表らは10日までの滞在中、記者会見、写真展、ホワイトハウス前での集会などを予定しているが、これが安保協議にどう作用するか ▼沖縄少女暴行事件の際、当時のクリントン大統領はテレビを通じて日本国民に謝罪したが、ブッシュ大統領はいまだに何の態度も表明していない。これに対しても人々は「公開謝罪」を求めている ▼京義線や東海線の鉄道・道路開通によって南北の交流が本格化し軍事面での信頼関係が構築されれば、「北の脅威」を口実に配備されている駐韓米軍の縮小も取りざたされよう。SOFAの改定はその動きとも無関係ではない。(聖) |