春・夏・秋・冬

 あくまでイラク攻撃を主張する米国。その軍事作戦の遂行に当たって、注視されているのが日本の動向である。正確にいえば、海上自衛隊が保有するイージス艦が作戦に参加するのかどうか、という事だ。というのは、このイージス艦はそこらの普通の戦闘艦艇ではないからだ

▼最新のレーダーを装備して攻撃対象の位置を捕捉し、トマホークミサイルで瞬時に撃滅する、という。戦闘において必要不可欠なあらゆる機能、要素を積載した万能の戦闘艦艇なのである。米国が掲げた「テロとの全面戦争」、アフガニスタン攻撃では、米のイージス艦から発射されたトマホークがその口火を切った。攻撃対象を次々と破壊し、戦闘の行方を握る緒戦で絶大な働きをした事は知られている

▼こうした性格上、憲法の制約によって「専守防衛」、すなわち「国土防衛」以外の戦闘に参加できない日本にあって、イージス艦の動向は日本が憲法を無視してまで米国の要請に応えるのかどうか、今後を占う試金石となっているのだ

▼そのイージス艦、そもそも保有していること自体が憲法違反だとして、疑義が提起されてきた。米国は4隻の内、1隻だけの参加を促しているという。その理由は、朝鮮半島北部、つまり朝鮮に対する攻撃準備のために3隻は動かせないかららしい

▼事実、先月行われた海上自衛隊の国際観艦式にも3隻は参加しなかった。舞鶴、佐世保を拠点に作戦を展開していたからだ。「イラクの次は朝鮮」―。ブッシュ政権の軍事作戦に、日本はすでに組み込まれている事がわかる。(彦)

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