始めてみよう朝鮮将棋(6)

2馬でチャンを守る


◆布陣法3(ヤンキマ)◆

 3つ目は、キの位置に両方(朝鮮語でヤン)の馬が移動するヤンギマ布陣です。キマ(漢側)対ヤンギマ(楚側)布陣で作ってみましょう。

 楚側の@「四1卒四2」は、「一1車」の進路を開くためです。

 漢側のA「十8馬八7」は「八8包」の橋を作るためです。楚側のB「一3馬三4」も同じ目的です。

 漢側のC「八8包八5」は、チャンの前を固めながら「四5卒」を取るためです。

 楚側のD「四5卒五5」は、そのままだと取られるので「三4馬」の助けを見込んで進みます。

 漢側のE「七9兵七8」は、「十9車」の進路を開けると同時に先手を取るためです。なぜかというと、楚側の「一8象」を「四6」に進ませないでそのままにさせておくと「一9車」が相手に取られるからです。具体的には次の手で述べましょう。

 楚側のF「一8象四6」は、「一8象」をそのままにしておくと漢側の「八5包」が「八9」に越えて来ると「一9車」を取られてしまいます。「車」の身動きが取れないからです。だから象は「四6」に進み「一9車」の横道を空けるのです。

 漢側のG「七8兵六8」は、「七8」のままだと「四7卒」を「四8」に移動した後、「四6象」と「三8包」で兵を2つ取られるのを防ぐためです。

 楚側のH「三2包三5」は、チャンを守り守備を固めるためです。

 漢側のI「七5兵七6」は、「八7馬」と「十7象」が前に出る道を作るためです。

 楚側のJ「一7馬三6」は、チャンを守るためです。

 漢側のK「十3馬八4」は、守りと攻撃を仕掛けるためです。

 楚側のL「四7卒四8」は、「四9卒」と合卒させると同時に、「一9車」が「一7」に行けば車の道を事前に開くことができるからです。合卒とは卒同士が横に並ぶことで、合駒とも呼びます。兵の場合は合兵です。合駒すると、いずれかの駒が相手側に取られたら、それを取った駒を奪うことが可能となります。そのためほとんどの場合、合駒に手を出すことはありません。詰めの段階になると卒1枚あれば勝てる局面も多々あります。ですから、序盤戦に卒を取られないように指すのが上達の秘訣とも言えます。

 漢側のM「六8兵六7」は、「一9車」が「一7」に行き「五7」に進出するのを事前に防ぐためです。

 楚側のN「一9車一7」は、「一2象」が「四4」に進んだ次に「六7兵」を取り、その後、象を取った「七7兵」を「一7車」が攻撃して兵を2枚取るのはむろん、攻め込む進路を作るためです。(朴健治・京都社協顧問、次回はかけ声)

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