身近な渡来遺跡巡り
千葉「金鈴会」第8回歴史探訪
千葉「金鈴会」では千葉市と市原市内の渡来遺跡巡りを11月10日、常連の会員10数人が集まって行われた。
一行はまず、千葉の上総と下総を分ける村田川沿岸にある生実古墳群、草刈古墳群を訪れた。最近の宅地造成に伴う発掘によって発見されたこれら古墳群のうち、京成ちはら台駅前の草刈古墳群は高句麗墓制特有の方墳が60基あったという。今は保存を目的にして古墳公園が整備され、ここで一番大きい前方後円墳からは蓋付高杯の須恵器や馬具の轡が見つかっている。 続いて一行は市原市に向かい、日本最古の「王賜」銘入り鉄剣が出土した稲荷台1号墳と3世紀後半のものと見られる神門5号墳、奈良天平時代に建立された上総国分尼寺跡を見回った。国分寺史跡整備の発掘調査によって金堂、講堂、中門などの主要伽藍のほか、門跡、回廊跡が明かされ、尼寺としては全国最大の規模を持って寺域内に今はその一部が復元されている。西門近くには渡来神を祭る牛頭天王社の鳥居が立てられ、起工当時に上総国司として一時赴任していた百済王敬福を忍ばせる。 今回の歴史探訪で地元における渡来文化の影響の深さを知り得た一行は、朝鮮民族の誇り高さをより実感として味わった。(宋潤奎) |