春・夏・秋・冬 |
青商会主催のウリ民族フォーラムは、1000人を超える参加者が集まり大盛況だったようだ。周知のとおり、朝・日首脳会談以降、在日同胞を取り巻く環境には厳しいものがある。当初予定されていたピョンヤン学生少年芸術団の公演が直前になって中止されるなど、予期せぬ出来事もあった。厳しい状況を乗り越え成功させた要因は、やはり全国の青商会、とくに開催地大阪の人々の力が大きかったと思う
▼「同胞を取り巻く環境は難しい時やけど、子どもたちに元気を与えられるようにがんばりたい」「全国の同胞にほんま力を与えてやりたい」「こんな時だからこそやってやろうじゃないかと力がわく」。大阪の同胞らは、事前の本紙記者の取材でこう語っていた。それが随所で示されたようだ ▼大阪らしさが発揮されたのは、何といっても吉本新喜劇「コリアンタウン物語」だろう。現場で取材した記者は、「200回は笑った」そうだ。国語講習所を地上げ屋から守るという、ある意味重い題材を笑いの中でどう表現したのか、興味はつきない ▼今年朝鮮で出版された小説「江界精神」。90年代後半の最も厳しい時期をどう乗り越えたかがテーマだ。朝鮮の北端慈江道。冬には零下40度にもなるという酷寒の地で、飢えと寒さに耐え切れず餓死者が出たことも正直に書かれてある。読み進むほど現実のすさまじさに衝撃を受ける ▼その過程で生まれたのが「道険笑歩」。「行く道は険しくとも笑いながら歩もう」。洪昌守選手も好きなこの言葉を、青商会フォーラムの記事を読みながら思い出した。(聖) |