閑話休題
コリアン・ネットワーク
「統一」へのさまざまな取り組み
先日、東京大学で「コリアン・ネットワーク」と題される国際シンポジウムが開かれた。日本、中国、中央アジアそしてロシアに広がる国境を越えたコリアンたちのネットワークを、世界を動かすひとつの力と見なして研究、実践を進めようというのが狙いのようだ。
主催者の東京大学社会情報研究所・姜尚中教授は「南北7000万人口のうち500〜600万人が戦前、戦後にかけて海外に流出した例は世界的にもめずらしい」と発言し、アジアに散在している人々をそれぞれの立場から繋げられるようにしたいと意義を述べた。 南朝鮮、中国・延辺、ロシア各地から招かれた研究者らの歴史、地域、プロジェクトに関する報告は興味深いものがあったが、アジアに散在する海外同胞の大半がその「根」を日本の植民地支配に置いており、21世紀のコリアン・ネットワークを築くべき担い手の多くは異国の地で生まれ育った人々であるという現実を見た場合、ネットワークをつくる点と点、それらを結ぶ線に連なる人たちは、はたして自らをコリアンとして自覚し得るのだろうか、という疑問が終始頭から離れなかった。祖国の分断、冷戦体制下での分裂と対立…それらは海外同胞たちにも多大な影響を与えている。 日本における民族教育はこうした時代の流れの中でまさに注目されるべきものであろう。異国の地に生まれ育った人たちが民族の言葉、歴史、情緒を共有するのは教育によるものが多いからだ。 6.15共同宣言発表以降、南北朝鮮海外同胞までをも含めた「統一」へのさまざまな取り組みに期待したい。(潤) |