第31回在日朝鮮学生美術展

個性的な色彩感覚

優れた観察力と想像力

応募総数1万992点、459点が入賞


 全国7カ所で巡回展示されている第31回在日朝鮮学生美術展の東京展が、東京・目黒区の目黒区美術館市民ギャラリーで開かれた(6〜10日)。

 日本各地から寄せられた今年の応募作品数は1万992点(昨年は8844点)。うち東京展では、関東地方の生徒たちの作品を中心に、459の入賞作品と数多くの佳作、入選作品を展示。関係者の話によると、今年は優れた入賞作品を数多く輩出した学校に贈られる「学校賞」が初級部30校、中級部13校、高級部5校に送られ「全体的に地域や学校の格差がなくなり、美術教育の底上げが成された」という。

金賞「統一の握手」
埼玉初中・中級部1年 陳太極 (写真=学友書房)
金賞「タルチュム」
東京中高・高級部2年 車幸順 (写真=学友書房)
金賞「早く!」
南武初級6年 金輝成
優秀賞「ざりがに」
京都第2初級・幼稚班年長班 韓智世
(写真=学友書房)

 初級部低学年の部の審査にあたった、東京第8・成必麗先生は「子供たちの素直な感性がのびのびと表現された作品が多かった」と話し、高学年の部の東京第5・金聖蘭先生は「観察力と想像力を生かした良い作品が多かった。綿、石、紙粘土、ダンボール、セロファンなど、暮らしの周辺にある物を利用した作品、立体感のある作品も目を引いた」と評価。中学の部では「写真のように、よりリアルに表現しようという意気込みを感じさせる作品や、自己の内面に迫った作品、IT時代を反映したアニメーション作品など、趣向を凝らし、技術的にも優れた作品が多かった」と、西東京第1・金セッピョル先生はいう。また、高級部の作品は、豊かな感性にあふれ、技術的にもより洗練された力作が多かった。

 一方、10月16〜20日まで愛知県名古屋市で開かれた東海地方展覧会には1243人が訪れ、「個性的な色彩感覚が随所に見られて楽しかった。ゆとりのある気持ちはうらやましく思った」などの感想が寄せられた。同美術展は今後、神奈川(11月29日〜12月4日・川崎市教育文化会館)、大阪(12月3日〜8日・東大阪市民美術センター)でも開催される。(潤)

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