より迅速、正確な処理を

大阪に法律生活相談センターオープン


 大阪・玉造に11日、コリア法律生活相談センターが開設した。弁護士、司法書士、社会保険労務士らが常駐し同胞が抱える生活面でのさまざまな問題の迅速、正確な処理を目指す。専門家が常駐する生活相談センターは東京・上野に続くものだ。オープン初日には林範夫弁護士が相談に応じ、4件の相談が寄せられた。6日には開設祝賀宴が行われ、専門相談員が顔をそろえた。

6日に行われたセンター開設記念の祝賀宴

 センターは、総聯大阪府本部が設立したもので、運営日は月・水・金。弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士らがローテーションを組んで相談を受け付ける。専門家による相談は月、金の午後1時半から3時半までで、水曜日はスタッフが応じる。電話・ファクス相談もあり、受け付けは月、水、金の午前10時から午後4時。相談は無料で、対面相談は予約が必要。在日本朝鮮人人権協会近畿地方本部の洪敬義会長が所長を務める。

 専門相談員は、人権協会に属する同胞や日本人の専門家44人。弁護士(16人)、公認会計士(3人)、税理士(7人)、司法書士(10人)、社会保険労務士(3人)、土地家屋調査士(4人)、弁理士(1人)だ。

 今まで各地の相談業務に携り、今回も相談員に登録している趙星哲弁護士(34)は、「過去の相談を見ると、紛争が生じた後やほかでたらいまわしにされて仕方なく相談を持ちかけるケースが多かったが、その時は手遅れというケースが少なくない。弁護士や法律の敷居が高いのだろう。法律センターを通じて同胞が専門家に気軽にアクセスできるようになればうれしい」と話す。オープン初日に相談に応じた林範夫弁護士(38)は、「市役所や区役所の法律相談は満員で予約が取れない場合も多い。うちはまだ混んでいないので、今がチャンス。どんどん利用してほしい」と呼びかけていた。

 大阪ではこの3年間に14の地域に同胞生活相談綜合センターが設立され、相談実績や解決ノウハウを積んできた。93年7月からは府内各所で、月1回欠かさず「同胞無料生活相談の日」を開催し、549件を受け付けている。

 3年間、各々のセンターや巡回相談を積み上げた結果、相談業務が定着し始めている。今年度上半期には1127件の案件を受け付け、712件を解決した。 しかし、長引く不況や民族金融機関の破綻により同胞が抱えている問題が深刻さを極めていることから、現在の相談システムだけでは同胞のニーズにこたえられないとの認識に至り、専門家常駐の法律センターを設立することになった。専門家が常駐する法律センターの設立は、問題点として浮上している相談員の不足や実務水準を補い、各地域のさらなるレベルアップ、均衡的発展を促すための措置だといえる。

 法律センターは今後、大阪の同胞生活奉仕システムの拠点として地域センターの活動を総合、分析、援助しながら、より正確で迅速な相談の処理を目指す。

 総聯本部同胞生活部、地域センターの職員らで運営委員会を結成し、地域センターと関連団体との連携を緊密に行い、センター運営に関する知識と経験を共有。職員の実務レベル向上のため、学習会、懇親会も開く。目指すは同胞生活奉仕活動のシステム化だ。センターの活動内容を紹介した「センターニュース」も2カ月に1回のペースで発行する。(張慧純記者)

日本語版TOPページ