非武装地帯地雷撤去作業

「国連軍の要求は越権」

市民・社会団体が声明


 北南鉄道連結に向けて非武装地帯で地雷撤去作業が進んでいる中、「国連軍司令部による地雷撤去の検証要求は越権行為」との主張が市民・社会団体を中心に巻き起こっている。

 全国連合、経済正義実現市民連合、環境運動連合など20余の市民・社会団体で構成された「韓国対人地雷対策会議」は14日、「国連軍司令部は非武装地帯内の地雷撤去作業を妨害するな」との声明を発表し、国連軍司令部の不当な検証要求を批判した。

 対策会議は声明を通じ、「停戦協定によれば、非武装地帯内の地雷撤去作業は1953年に履行されなければならなかった。国連軍司令部は、この条項を履行しないことで半世紀もの間、非武装地帯を重武装地帯とするうえで決定的な役割を果たした」と指摘、非武装地帯内に埋設された地雷に対する国連軍司令部の本質的な責任を追及した。

 また、「今回の撤去作業は国連軍司令部が履行しなかった義務を南北が代理で行う性格のもの」としながら、「かえって、米国が対人地雷禁止条約加入において外交的負担となっていたものを取り除くということで、世界的な軍縮運動において画期的な契機となった」と撤去作業の意義について述べた。

 そのうえで、「南北軍事保障合意は、国連軍司令官と北の人民武力部長間の合意に基づいたものであり、南北管理区域内の実務的な問題は南北双方に委任された状態」であり、「自ら委任した権限を越えて介入しようというのは、南北関係を破たんさせようとの不純な企図としか受け取れない」と国連軍司令部を非難した。

 対策会議は、▼国連軍司令部による非武装地帯の地雷撤去作業に対する支持▼国際対人地雷禁止条約への南北共同加入▼国連軍司令部と米国の国際対人地雷禁止条約への加入―などを要求した。

作業妨害は内政干渉

 一方、「南北共同宣言実践連帯」は論評を通じ、「国連軍司令部は事実上駐韓米軍司令部」であると指摘。「司令部が南北鉄道連結事業に障害を作り出すのは、自国の覇権主義を貫き通そうとの米国の直接的な意図が反映されたもの」ではないかとの疑問を呈した。

 実践連帯は司令部による鉄道連結事業の妨害は露骨な内政干渉だとしたうえで、「米国は北の不可侵条約を受け入れ、朝鮮半島問題の平和解決に向かうべきだ」と促した。

 国連軍司令部は13日、京義線と東海線の鉄道および道路連結のための地雷撤去作業に、南北双方からの検証団の派遣手続きについて問題提起をした。司令部は、双方の検証団が軍事境界線を越えるためには、板門店の軍事停戦委員会を通じて人員や時期などを報告しなければならないとの立場に固執している。

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