総聯への「破防法適用」発言に関連し総聯中央本部が記者会見

日本当局に発言撤回、暴行防止求める


記者会見を行う南昇祐副議長
 公安調査庁の栃木庄太郎次長が8日、国会で総聯に対し「破防法の適用も考えつつ調査をしている」と答弁したことと関連し、総聯中央の南昇祐副議長が13日、東京・千代田区の朝鮮会館で記者会見を行い談話を発表した。

 南副議長は談話の中で、今回の発言は「時代錯誤の暴言であり、大きな民族的怒りを禁じえない」と述べ、日本当局に対し在日同胞の怒りをこめて強く抗議した。

 また、民主党の中川正春議員が国会の場で、「(総聯の)拉致問題への関与」をうんぬんするなど、何の根拠もなしにでたらめな暴言を吐いたことは、関東大震災時の朝鮮人虐殺を引き起こした流言ひ語を彷彿させる断じて許しがたいファッショ的言動であると指摘した。

「朝鮮征伐隊」なる正体不明の者から送りつけられた脅迫文(上)と銃弾

 さらに、国会での発言直後の9日に、「朝鮮征伐隊」なる正体不明の者から脅迫状と銃弾が総聯中央本部に送りつけられたことにも触れ、その脅迫状と銃弾の写真を公開するとともに、こうした行為は絶対に看過できないと述べた。

 1955年5月の結成以来、総聯は在日同胞の権益擁護団体として内政不干渉の原則に沿って法を順守し、民族教育と生活の向上、祖国の発展と自主的平和統一、日本の人々との親善交流に力を尽くしてきたと指摘しながら南副議長は、21世紀を迎えたこんにちでは、民族性を守りつつ教育文化と同胞生活奉仕を2つの柱として、日本社会において共存共栄をはかるさまざまな活動を展開していると強調した。

 そのうえで、日本当局に「破防法適用うんぬん」の発言の撤回と二度とこうした発言を繰り返さないことの表明、総聯各機関に対する破壊行為や、在日同胞と学生に対する暴行、脅迫行為の防止などを求めた。

 記者会見では質疑応答が行われ、南副議長は拉致事件と関連し被害者やその家族の心中を察すると悲痛な気持ちを禁じえないとしながら、事件はあってはならないことで大変遺憾なことであると表明。同胞社会で衝撃が走っていることも知っているとしながら、朝・日両国間での1日も早い解決を望むと述べた。

南昇祐副議長の談話(要旨)

 去る11月8日、衆議院財務金融委員会において公安調査庁の栃木庄太郎次長は、民主党中川正春衆議院議員の質疑に対し、朝鮮総聯について「破防法の適用も考えつつ調査をしている」と答弁しました。

 これまでも幾度となく、公安調査庁が朝鮮総聯に対して、不当に「破防法の容疑団体」としてきたことは周知のことですが、「適用も考えつつある」と、時代錯誤の暴言を口にしたことに、私たちは大きな民族的怒りを禁じえません。

 さらに11月9日午前、「朝鮮征伐隊」なる正体不明の脅迫状と銃弾が、朝鮮総聯中央本部に送りつけられる卑劣な事件が発生しました。

 朝鮮総聯は1955年5月の結成以来、半世紀にわたって、在日朝鮮同胞の権益擁護団体として、内政不干渉の原則に立って法を順守し、民族教育と生活の向上、祖国の発展と平和統一、日本国民のみなさんとの親善交流のために力を尽くしてきました。

 私たちは、朝鮮植民地支配によって日本に居住するようになった歴史的経緯から、朝・日両国の善隣友好と関係正常化を誰よりも切実に望んできました。

 それにもかかわらず、歴史的な朝・日平壌宣言が発表されたこの時期に、不当な言いがかりをつけ、「破防法」をもって朝鮮総聯を抑圧しようとする意図をあらわにし、在日同胞を不安に陥れようとする、日本当局に対して、私たちはすべての在日同胞の怒りをこめて強く抗議するものであります。

 私たちは、拉致問題と関連して、日本の一部のマスコミが常軌を逸した過剰報道を繰り返し、故意に反朝鮮感情を煽っていることにも、大きな危惧を抱かざるをえません。

 最後に、私たちは日本当局に対して次のように強く要求します。

 一、朝鮮総聯に対して「破防法の適用を考えつつある」とした今回の発言を直ちに撤回するとともに、今後、二度と繰り返さないことを表明すること。

 一、朝鮮総聯の各機関に対する破壊行為や在日同胞と学生に対する暴行、脅迫行為を未然に防ぎ、再発防止の適切な措置をとると同時に、当該の犯人を逮捕し、厳罰に処すること。

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