各地でバザー盛況
今年も各地の朝鮮学校でバザーが行われている。日本人拉致事件と関連した朝鮮学校に対する嫌がらせを心配し、一部の学校では行事の規模を縮小、厳重警備のなかで行っているが、「こんな時だからこそ学校を盛り立てていこう」と保護者、教員をはじめとする同胞と日本市民との連帯もいつになく広がっている。
元気いっぱいをアピール 「今年も楽しみ」の声に応え東京第5 アンニョンフェスティバル
10月27日、東京朝鮮第5初中級学校(東京・墨田)で行われた「アンニョンフェスティバル」。地域同胞らを対象に長年行ってきたバザーだが、「地元住民との相互理解を深める場に」と、4年前から対外的なイベントへと発展させた。 今年は一部の保護者から開催に懸念の声も上がった反面、地元町内会の会長や、毎年友情出演する「江戸太鼓愛好会」をはじめ近隣の日本学校、企業などから多くの期待の声が寄せられた。 「なかには直接学校を訪ねてくれる日本学校の先生もいた」と語るのは林桂U校長。「『今年も楽しみにしている』という彼らの期待に応え、元気いっぱいの朝鮮学校をアピールするためにも極力『いつも通り』を心がけた」。 一方で万が一の事態に備え、地元警察に警備を依頼。中3生徒が毎年駅頭で行ってきたチラシ配布を取り止めるなどの対策を取った。 準備に奔走したオモニ会役員の1人は、「心配はあるが、子どもの話を聞く限り嫌がらせなどは他の学校に比べ少ないようだ。それも校長先生をはじめ学校全体が一丸となって普段から地域に根付いた交流を行ってきたおかげでは」と語る。 当日は地域同胞、地元住民ら1000余人が訪れ大盛況。「市販のものよりおいしい」と口コミで評判が広がり、現在ではイベントの目玉となっている同校オモニ会手作りの特製キムチは、準備した300キロ分を完売した。 保護者の金奉龍さん(42)は、「今年はどうなるかと心配したが、理解ある大勢の日本市民が学校を訪ねてくれたことにほっとした。朝・日を取り巻く情勢が1日も早く改善され、心置きなく子どもを通わせられる日がきてくれれば」と語っていた。(李明花記者) 日本市民が実行委に 大阪・堺 インターナショナルカーニバル 大阪・堺市内の公園で同日行われた「第8回インターナショナル・ピープル・カーニバル」には、あいにくの雨にもかかわらず、堺朝鮮初級学校の児童をはじめ堺市在住のインド、メキシコ、アラブ、ブラジル、フィリピン、タイ、中国の人々4000余人が参加した。学校バザーを堺市全体を巻き込んだ地域的な行事に発展させた同イベント。開始の95年から毎年多くの在日外国人らでにぎわってきた。 今年の実行委を務めたのは同校を支援する日本市民らで作る「堺ハクキョの会」。週1回の「給食の日」のために1口1000円運動を展開している。 同会の小仲久雄代表は「拉致事件の影響もあってか、毎年募集するボランティアスタッフの応募者数が少なかったのは事実。日朝国交正常化交渉が始まり解決されなければいけない問題は山積しているが、このような時こそ地域に生活の基盤を持つ在日の人たちと日本人の交流を深める場が大切なのでは」と述べていた。 |