始めてみよう朝鮮将棋(4)
象と馬の針路重ならないようバランス
◆布陣法1(キマ)◆
これまで駒の呼び方から並べ方、動かし方について見てきましたが、実際に打つ前に覚えておきたいのが布陣です。 将棋の対局は常に布陣、中盤戦、終盤戦の3分野に大きく分けることができます。布陣と中盤戦の限界は明確に区別することはできませんが、互いの基本配置が終わり、境界線がある程度、定まった時をその限界と見なします。 布陣は数通りあります。それぞれ長所短所がありますが、ここでは一番よく使われている3通りの布陣法を紹介します。 1つ目は、片方の馬をキの位置(チャンの両斜め)に移動するキマ布陣です。馬がキの位置に移動することで、象と馬の進路が重ならず、全体のバランスをとることができます。 ここではキマ(漢側)対キマ(楚側)布陣の作り方を別項の移動手順に沿って作って見ましょう。肝心なのは、移動の目的なので、1手1手の移動の目的と役割について説明します。 楚側の@「四1卒四2」は、「一1車」の道を開くためと、相手の「七1兵」を孤立させるためです。漢側のA「七9兵七8」も同じ目的です。 楚側のB「一8馬三7」は、包が移動するための橋を作るためです。包は縦と横の直線を無制限に進むことができますが、必ず他の駒を飛び越さなければなりません。その駒=橋役にするわけです。漢側のC「十8馬八7」も同じ目的です。 楚側のD「三8包三5」は、楚の宮城に入りチャンの守りを固めると同時に、漢に対する攻撃の準備態勢を整えるためです。漢側のE「八8包八5」も同じ目的。 楚側のF「四5卒四6」の動きは、「一7象」を包の前に出して漢を攻撃するためです。 漢側のG「十3馬八4」は楚の攻撃に対する防護と、攻撃のために打つかもしれない包が移動する際の橋を作るためです。 楚側のH「一7象四5」は、「七3兵」を取り攻撃するための動きです。 漢側のI「七3兵六3」に移動したのは、相手の象に取られるためと、「七4」に行けば「十2象」の「七4」への移動の妨げになるからです。また「七2」に行けば「一2象」が「四4」に来ると取られてしますからです。 楚側のJ「一3馬三4」は、漢側のGと同じ目的です。 漢側のK「十4士九4」は、チャンと馬を守るためで、楚側のL「一4士二4」も同じ目的です。 漢側のM「十2象七4」は、横にいる車の道を開くことと、攻撃に備えるためで、楚側のN「一2象四4」も同じ目的。 相手側の手順変動によって若干の変動もありえますが、移動の目的さえ知っていれば、この布陣を作ることができます。(朴健治・京都社協顧問、次回は布陣法2) |