在日本朝鮮留学生同盟

「朝鮮人」を武器に

康松潤


 最もハイテク技術が求められている分野で、半導体をNECだとかインテル、サムソンなどのメーカーと一緒に研究開発している。LOW―Kという。簡単にいうと半導体の配線と配線が集積化されて細くなると情報伝達が遅くなるので、今までとは違うまったく新しい材料をもって速度を速めるための研究開発だ。

 本社は現在、業界2位の位置にある。社内には外国人が多くチャンスのめぐりも公平。トップを狙う競争のなかで、自分が会社の根幹を担う重要な部署を担当していることを誇りに思うし、科学者としてやりがいを感じている。

 学科別研究討論会の思い出はなんと言っても論文賞を受けたことと、朝大のトンムたちと議論しながら彼らの志向性や研究などを知って刺激を受けたこと。現在も在日本朝鮮人科学技術協会に属し、同じ同胞研究者として、そして良き仲間として交流している。

 幼いころから科学に興味を持っていた。京大に進んだのはノーベル賞を受賞した先生のもとで化学を専攻したかったから。留学同に参加しはじめた当時は、自分の研究目的とテーマが弱かったが、それを留学同の科学研究活動を通して明確にすることができたと思う。留学同出身の同胞科学者たちと議論したり講義をしてもらったりと、交流の過程で朝鮮人科学者として生きていく道を選択した。

 最後に勉学に励んでいる後輩たちに一言。日本社会は厳しいので、自分の武器をもって生きなければならない。私たち在日朝鮮人の場合、朝鮮人であるということも武器になると思う。俗社会に流されやすい人が多いなか、民族的なネットワークを有効活用して明確な目標をたててくれればと思う。

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 分子工学専攻。京大工学部工業化学科、同大大学院卒業後、俣結档Gレクトロンプロフェス開発センターSOGグループ研究員として活躍。

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