くらしの周辺

はじめての釜山


 さきの釜山アジア競技大会に共和国代表として出場した、地元の後輩(朴徳貴・重量挙げ)を応援するため、初めて南朝鮮を訪れた。

 個人的には正直、特別な感慨はなかった訳ではないが、それよりも釜山市内を歩いていると「安いですよ〜お客さん」と片言の日本語で話しかけてくるアジュンマに違和感を覚えた。地元の子供と話してみると、みごとな慶尚道なまり…。まるで1世のハルモニと話をしているような、妙な感覚に戸惑った。

 他の競技日程により、重量挙げの会場に共和国応援団の姿はなかったが(残念…)、会場を埋め尽くした「釜山市民サポーターズ」が、共和国代表の朴選手に惜しみない拍手と声援を注いでくれた。

 そこにはある意味「力技」とは関係ない、「祖国統一」「われらは一つ」のスローガンが鳴り響き、試技のたびに静寂と歓声が交差して、見る者をも飲み込みそうな緊張感が漂っていた。

 そんな中で朴選手自身、「ホームでの試合のような雰囲気」を味わえたと言う。結果、朴選手は初めての国際大会出場にもかかわらず、全ての試技を成功させ、自己タイ記録をマークした。

 メダルに手が届くにはもう少し時間と努力が必要だろうが、弱冠20歳なので、うまくいけばオリンピック3回出場も夢ではない。よしよし、これからも応援にかこつけて、何度も海外へ出向いてやるぞ。

 競技を終えた朴選手。釜山市民の熱い応援に「統一の息吹を感じた」と言いながら、「でも、統一したら出場枠が減るかな〜」と冗談交じりで笑っていた。(李紅培・朝青員)

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