おぎオンマの子育て日記

ミリョンの成長


 急に肌寒くなり、厚手の布団を出したら、ミリョンを産んだ夜のことを思い出した。少しずつ破水してはいるけれど、赤ちゃんはちっとも下りてきていないので、アッパと子供たちは病院についてすぐに、帰ることになった。

 私は陣痛室で熟睡していた。陣痛が来て助産婦さんが「まだまだ」といった直後に、ミリョンの頭が見えた。目が覚めてから30分後だった。

 深夜だったので、チユニやサンホを起こすのはかわいそうで、朝になって連絡することにした。ミリョンは、冷めたジャガイモにマーガリンを塗りたくったように、胎脂でべっとりだった。沐浴の後、暗い陣痛室のベッドで、抱きかかえて初授乳した。何もかも小さくて、おっぱいを飲む姿はとてもけなげだった。

 7カ月が過ぎ、いろんなものを食べるようになった。人が食べているものを見ると、急に目の光が強くなり、口はひし形にとがり、息が荒くなる。

 先日は曾祖母の祭祀でチョジャンに手を突っ込んで、大騒ぎになった。おっぱいを飲む姿もふてぶてしい。ある程度満足すると、足をつかんで、自分の足の指とおっぱいを交互に吸う。そして、私の顔を見て、にっと笑うのだ。小さな下の歯が2枚のぞく。座った後姿の丸みも、なんとも言えずいとおしい。オンニとオッパも同じ気持ちのようだ。

 チユニは、ミリョンを風呂に入れたがる。泣かさずに洗ってあげられたときは、誇らしげだ。サンホは腹話術で、ミリョンの気持ちを代弁している(つもりになっている)。

 首脳会談から1カ月、不安や怒りや無気力が順番にやってくるが、子供たちは、毎日私を求め、日々成長している。在日朝鮮人であることも含めて、自分自身を好きでいられるような子供に育てたい。

アッパのひとこと

アッパの仕事

 焼肉屋を営む父母を見て育った私は、仕事をしてお金を得るという仕組みを幼い頃から知っていた。私はソフトウェアの開発をしている。子供たちには「仕事」がピンとこない。アッパが生計を支えていることを子供たちは知っているのだろうか。

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