「KS医療ネット関西」が発足

学生、医療人の交流の場に


 9月28日、大阪・梅田にあるイタリアンレストランで「医療・福祉系セセデコリアン達のつどい」が行われた。参加者は大阪、兵庫、京都の関西3地方から、同胞の医療系学生と若い世代の医療人、その他関係者を含む約80人。

 日本の各大学・短大・専門学校に通う同胞学生の集まりである留学同では今春、医療系学生の人的・学術的交流を目指すKS医療ネットを全国4ブロック(関東、東海、関西、西日本)に立ち上げることを決めた。

 この日の集いは、関西地方で学ぶ医療系学生たちの交流を深める絶好の機会となった。

 医療系とは言えその範囲は広く、医者はもちろん薬剤師、看護師、栄養士、検査技師、理学療法士、鍼灸士、社会福祉士、介護士と、さまざまな分野に従事する、もしくはそれを志す若い同胞が対象だ。

 「在日同胞社会における新しい世代への転換は『医療』分野においても同様です。この集いがその契機になることを期待します」

 実行委員長として準備を進めてきた共和病院薬剤師の張潤実さんのあいさつに始まり、医学協会西日本本部の金英一会長による来賓あいさつ、祝杯と続いた。

 初めて顔をあわせた者も多かったが、終始和気あいあいとした雰囲気の中で進められた。

 近年、留学同では医療という専門分野と朝鮮人であるという民族性をキーワードに、全国、地方ごとにさまざまな行事を行ってきた。学生同士の交流や勉強会はもちろん、同胞医療機関への見学や実習、朝鮮学校の保健教育活動(健康診断、栄養・禁煙指導など)への参入などだ。こうした活動を進めるためにも、同胞医療の発展に積極的に従事する医協との連携も欠かせない。

 このような現状を見越したうえでフリータイムでは、「同胞医療の現場から」と題し、@在日本朝鮮人医学協会A医協兵庫と学校保健の取り組みB共和病院の歩みC京都コリアン介護センター「エルファ」D大阪ムジゲ会についての5つの取り組み―などが紹介された。医協と連携を取りながら、学校保健へ参入している「KS医療ネット東海」の活動も紹介された。

 最後に、今後、関西において医療系学生の活動と交流を進めるため「KS医療ネット関西」を結成することとなり、その説明を代表である文鐘聲さん(大阪大学大学院)が行った。

 文さんは、「学校の勉強と留学同の活動は同胞医療という分野でつながっている。今後その媒体としての役割を果たしていくようにしたい」と語っていた。【留学同兵庫】

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