取材ノート

北南協力、点と点が線に


 日本はもとより、北や南でも取材を重ねると、朝鮮半島情勢が統一に向けて着実に大きく動き出していることを痛感する。さる5〜6日、東京で在日本朝鮮人科学技術協会の学術報告会が開かれた。北と南の研究者、学者が初めて参加し、北と南、科協による初の学術交流「科学技術シンポジウム」も行われた。

 北南の科学技術発展を念頭に置いたものだが、記者にはこれと関連して忘れがたい言葉がある。

 今年4月末に金剛山で行われた第4回離散家族の再会の場で、朝鮮戦争で生き別れになり、その後アボジの遺志どおり共に教員の道を歩んだ金兄弟が、「北も南も力を入れている科学技術の研究を共同で進め、世界レベルのものを開発しよう」と口をそろえていたことだ。今回のシンポでは、その言葉が現実となった=Bつまり、思いはみな1つなのだ。

 釜山アジア大会では、2000年9月に開幕したシドニー五輪に続いて、北と南の選手団が共同入場して統一をアピール。開幕早々、女子重量挙げで北の選手がスナッチで世界新記録を更新し、南の選手も7日現在、47つの金メダルを獲得するという大活躍だ。現地で応援している南の市民、北側応援団、在日同胞応援団ばかりか、すべての朝鮮民族がこれを民族共同の誇りとして喜んでいる。

 6.15北南共同宣言発表(2000年)後、北南間では和解と協力・交流に関するさまざまな事業が進んでいるが、いうまでもなくそれ以前の各種共同事業とは次元が違う。今やそれらは点と点で結ばれ線になってきている。線がより太くなればなるほど、統一に近づく。そのバロメータは、北南間の東海線、西海線の鉄道・道路の連結およびそれと関連して派生する諸問題(新義州特別行政区などの都市開発など)の進展具合だろう。在日同胞も、こうした動きの中でさまざまなチャンスをつかむことができるだろう。(基)

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