来年、03学年度から朝鮮大学校が変わります
短期学部を新設(生活科学科、情報経理科)
民族教育の最高学府である朝鮮大学校(東京・小平市、張炳泰学長)は、6.15北南共同宣言発表後、現実問題として進展している祖国の統一、そして21世紀世界の大学教育、科学技術の発展を念頭に置きながら、同胞社会を取り巻く環境の変化にも対応しようと、来年、2003学年度から一部の学部、学科を統合して新たな学部、学科を設ける。「魅力ある大学を目指し、多様化する同胞社会のニーズ、同胞学父母、学生らのニーズに応えるための積極的な措置である」(大学側)。(羅基哲記者)
今回の学部、学科再編成の目的は、「統一祖国の発展と21世紀の豊かな在日同胞社会を担う有能な人材≠育てる」(呉圭祥・教務部長)ところにある。 まず、文学部と歴史地理学部を統合し「文学歴史学部」を設ける。語文学、歴史地理の2学科を置き、民族科目を担当する教員、語学、文学、歴史学、地理学の各分野の専門家を育てる。 両学部名を並列した学部名にしたのは、どちらかに吸収されるのではなく、民族科目を学ぶという共通点を生かし、民族に関する知識とより総合的に学んでいけるという意味が込められている。 第2に、2年制の「短期学部」を新設する。民族性を培う一方で、情報社会に対応できる専門知識と資格の取得を目指す。 生活科学と情報経理の2学科を置き、前者では栄養学、朝鮮料理、民族の習慣、衣装(被服)、一般マナー、生活経営など衣食住と関連した民族的な知識を学ぶ。日本の大学の家政科に相応するもので、「民族色豊かな家政科」とも言える。 後者の情報経理科では、情報技術時代に対応できる情報処理能力を身につけられるようにする。同時に簿記、会計などの経営関係の初歩的な知識を学び、それらの資格の取得にも力を注ぐ。同学科の新設と関連し、理工学部の情報処理科(2年制)を来学年度から短期学部の情報経理科に移すことになった。 短期学部の新設は、同胞と学生らの要望によるもの。現在、教育学部にある2年制の学科は保育、音楽、美術の3つだが、いずれも専門色が強い。4年制の学部は「少々長い」という意見もあった。今回の短期学部設置によって、その分野の日本の短大や専門学校を志望していた学生たちにとっては朗報となろう。 このほか、政治経済学部では哲学、政治経済の2学科を統合して政治経済学科とする。既存の法律学科はそのまま。 理工学部は、前述のとおり情報処理科を短期学部に移すほか、数学物理学科と化学生物学科を統合して理学科を設ける。既存の電子情報工学科はそのまま。 経営学部、外国語学部、教育学部、体育学部の各学科は従来どおりだ。 これによって朝鮮大学校の学部、学科は来学年度から8学部17学科(現在は8学部20学科)となる。 ◇ ◇ 来年度の入学願書の受付は12月2日(月)から来年1月15日(水)までで、同大学教務課まで直接提出または郵送(〒187―8560 東京都小平市小川町1―700、必ず書留で)すること。対象は在日同胞子弟(国籍不問)で、来年3月までに朝鮮高級学校または日本の高等学校の卒業が見込まれる者とすでに卒業した者。ただし、教育学部教育学科は朝高で学んだ者に限る。奨学生制度、体育推薦生制度もある。 試験日は来年1月29、30日。場所は朝高卒業生=朝大、大阪朝鮮会館、山口朝高、日本高等学校卒業生=朝大。 問い合わせは朝大(代表TEL 042・341・1331)教務課あるいは各朝高まで。同校のホームページ=http://www.korea-u.ac.jp。 (関連記事) ・インタビュー ・創部39年の朝鮮大学校サッカー部、初のブラジル遠征/「生き馬の目を抜くプレーに驚き」 |