咸鏡北道の会寧と穏城で外国企業が油田発見
埋蔵量は推定1000万バーレル
朝鮮北部で大量の天然ガスと油田が発見された。埋蔵量は推定で、ガスが1兆立方フィート(約283億立方メートル)、油田は1000万バーレル(1バーレル=約159リットル)に上るという。朝鮮石油開発会社から採掘権を取得している、シンガポールのソブリン・ベンチャーズが8月28日、明らかにした。ソブリンは内陸部での採掘権が与えられた初の外国企業。シンガポールの経済紙、ビジネス・タイムズが29日に報じた。
油の上に乗る平壌 朝鮮での油田開発問題は、金正日総書記が1998年10月、南朝鮮・現代グループの鄭周永名誉会長(昨年死去)と会見した際、外国企業が石油埋蔵量を調査した膨大な資料を示しながら、平壌は油の上に乗っている、と述べたこともあり、注目を集めていた。 朝鮮では65年から原油の探査が始まった。97年末に朝鮮原油工業部が明らかにした資料によると、30数年間に及ぶ地質学的分析とボーリング作業の結果、原油の埋蔵地は陸・海合わせて7カ所であることが判明。朝鮮西海だけでも推定数十億バーレルはあると見ているが、原油採掘には採算の取れるポイントを確保する必要がある。 97年6月、南浦の沖、西朝鮮湾盆地でボーリングを行った際、1日に450バーレルの産油があったが、採算ラインは日産2000〜3000バーレルという。 採掘権は25年 今回、油田が発見された地域は咸鏡北道の会寧と穏城。埋蔵量は1000万バーレルと推定されるが、ソブリンのベン・タン副社長によると、対象地域全体の3分の1までしか調査していないことから、推定埋蔵量はさらに膨れ上がる可能性があるという。 シンガポールに拠点を置くソブリンは、昨年9月、6000平方キロメートル相当の土地の採掘権を朝鮮石油開発会社から取得し、今年4月から本格的な地質調査を行っている。ちなみに外国企業に内陸部の採掘権が与えられたのはソブリンが初めて。 採掘権は25年で、最初の3年間が地震探査、次の2年が掘削、残りの20年が生産段階となる。 ソブリンは採掘資源の45%を取得・販売することができ、残り55%は朝鮮側が保有する。 ちなみに朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南委員長は今年3月、マレーシアを訪問した際、国営石油会社を訪れ、朝鮮のエネルギーと油田の探査にマレーシアの企業が積極的に参与するよう要請した(中央日報3月13日付)という。 21世紀の朝鮮における原油開発の一端を垣間見ることができる。(羅基哲記者) |